【セランゴール競馬場(マレーシア・クアラルンプール)訪問記】KLの鉄火場。

世界中の競馬場を巡る旅。今回はイスラム国家マレーシアセランゴール競馬場です。東南アジア圏の競馬場はシンガポールに行ったことがありましたが、マレーシアは初めて。ちなみに筆者がマレーシアを訪れるのも、10年ぶり(マラッカを訪れて以来)で、クアラルンプールに至っては初めてでした。

セランゴール競馬場の成り立ち

イスラム国家マレーシアでも、そこは移民が多い多国籍国家。カジノもあれば競馬もあります。マレーシアには首都クアラルンプールから車で1時間のところにゲンティン・ハイランド・カジノ(Genting Highland Casino)があります。競馬場は3か所あり、ペナンイポー、そしてクアラルンプールにも競馬場があります。それが今回訪れたセランゴール競馬場です。

セランゴール競馬場はSelangor Turf ClubやGolden Horseとも呼ばれます。またジャパンスタッドブックインターナショナルのサイトではスンガイベシ競馬場と紹介されています。

1800年代後半頃、当時のイギリス将校らが楽しんでいたアマチュア競馬がセランゴール競馬場、そしてマレーシア競馬の源流になります。1896年にセランゴール・ターフクラブが設立され、まもなく本格的な競馬が始まりました。現在の場所に移転したのは1994年のことで、総工費25,600リンギット(約70億円)をかけて建設されました。

セランゴール競馬場の特徴

コースは左回りの芝コースで、距離は1周2000メートル、幅は30メートルです。直線距離がかなり長いのが特徴です。

スタンドは近代的な4層式で、1〜3階に一般席があります。25,000人のファンを収容でき、入場料は6リンギットです。追加料金20Mを支払えば、スクリーンや馬券発売窓口がある快適なPublic Air-Cond Enclosure(3階)を利用でき、4階のTrackview Restaurantからも観戦を楽しめます。

競馬場内にATMは設置されていますが外貨の取り扱いはしていません。ただしクレジットカードによる海外キャッシングは可能となっています。

年間を通して競馬を開催しており、毎年30、月に2~3回の開催日があります。平均して1日に9〜10レースを施行しています。場内のテレビジョンではマレーシア国内のレースのみならず、マカオやオーストラリアのレースを観戦することも出来ます。

アクセスはGrabかメトロ+Grabがおススメ

セランゴール競馬場は、クアラルンプール市街地のブキット・ビンタンからは車で約20分(渋滞がない場合)の場所にあります。Grabを利用していくと約22リンギットになります。検索先は「Selangor Turf Club」で問題ありません。タクシーで行く場合は、「Golden Horse」のほうが通じやすいです。ちなみに、クアラルンプール国際空港(KLIA)からは競馬場まではタクシーで45分です。

その他、電車(KTM Komuter train)、または路面電車(LRT)で行くこともできます。いずれもSerdang Komuter StationもしくはSungai Besi LRT Stationで下車します。競馬開催日には両駅から競馬場までは無料のシャトルバスが運行しています。結構な頻度で運航しているとの情報を見かけましたが、自分が見たときは競馬場から出発しているシャトルバスはありませんでした。お金に余裕があればKL市内もしくは最寄駅からGrabを利用することをお勧めします。

入場エリアは2か所。見るだけなら一般窓口へ。

入場エリアは2か所あります。普通に車で行ったとき、手前にあるのが一般入り口(入場料6リンギットの窓口)です。さらに奥に行くと指定席エリア(馬主席?)があります。GrabなどでSelangor Turf Clubと指定した場合は、こちらの入り口に連れていかれるので、一般エリアを訪れる場合は手前で降りてください。

指定席(馬主エリア?)の入り口。荘厳な感じで、鉄火場感はありません。綺麗なお姉さんが受付にいました。

こちらが一般の入り口。見落としがちですが、一応Drop Offエリアと看板が立てられています。まぁ指定席エリアに連れていかれても、歩いて3分程度で戻ってこれるので問題ありません。

一般エリアの入り口には無料シャトルバスらしきバスが停車していました。窓に格子が掛けられており、まるで護送車のようでした。

入場券購入エリア

一人6リンギット(約160円)です。

ある程度時間が過ぎると入場無料になるようです。筆者は4R(13:30頃)開始前に訪れたときには入場券を購入しましたが、6Rが終わって帰る際(15時30分頃)にはすでに入場無料になっていました。

こちらで入場券を回収されます。

入ってすぐのところでは新聞が売られています。ここで新聞を買わないと、中では買えるところがありません。7リンギット(約200円)ですので、買っておいたほうが良いでしょう。

少し長めの廊下を歩くとスタンドに着きます。

スタンドはまさしく鉄火場!

スタンドに入ってまず感じたのは、「鉄火場感」。日本の地方競馬や海外の中小規模の競馬場のような鉄火場感ですね。シンガポールのクランジ競馬場、サンフランシスコのゴールデンゲート競馬場に似ています。

窓ガラスのところはエアコンエリアとなり、入場に別途20リンギット(約550円)が必要です。奥側のエリアはして指定席(馬主)エリアとなっています。

客層はマレー人、中国人、インド人と様々です。欧米人や日本人も見かけました。もちろん若い女の子は見かけません。

パドックはコース直結

パドックはコース脇にあります。パドックで周回したらそのまま馬場に出てゲートへ向かいます。パドックにはウィナーズサークルも併設されています。

指定席エリアの人は、馬が周回していない時なら普通にパドックに入って良いみたいです。ウイナーズサークルで記念撮影している人も結構見かけました。もしかしたら馬主さんだったのかもしれませんけど。

馬券は4方式(単勝・複勝・馬連・三連単)

さて、イスラムの国と言えどそこは競馬場。当然馬券を買うこともできます。馬券はすべて窓口での購入になります。用意されている形式は日本と異なり、次の4通りになります。

  • Win(ウィン) 単勝
  • Place(プレイス) 複勝
  • Quinella(クイネラ) 馬連
  • Trifecta(トライフェクタ) 三連単

単勝・複勝は5リンギットから馬連・三連単は2リンギットからになります。買い方自体は日本と同じで、馬連や三連単のフォーメーション、ボックスといった買い方もできます。言葉で説明するよりかは、スマホのメモ帳などに、場所(Selangor)・レース番号・上記形式・馬番号・金額を書いて提示したほうがお互い分かりやすいです。

ちなみに未確認ですが、もしかしたら四連単(四連複?)もあったかもしれません。Quadruplicateの文字を見たのですが、馬券的にあるのかは確認していません。

ちなみにSelangor三冠競走もあり、一冠目は4月8日(TUNKU GOLD CUP)、二冠目は5月20日(SELANGOR GOLD CUP)、三冠目は10月7日(PIALA EMAS SULTAN SELANGOR)となっています。日本の3歳三冠競走と同じような日程ですね。

オッズはこんな感じ。左の赤い画面はマカオのレースです。セランゴールは右の青い画面になります。「第5レースがあと17分後に開始される」と表示されています。ちなみに1番から12番までの単勝と複勝が表示されています。日本式のオッズに直すには、これらを5で割れば計算できます。

例えば3番の馬の場合、単勝「7」・複勝「5」となっています。これはすなわち単勝「1.4倍」・複勝「1.0倍」であることを指示しています。圧倒的人気で複勝は元返しですね。

馬券はシンガポールやサンフランシスコ同様、紙ぺらスタイル。きちんとした紙で出てくる日本の馬券のほうが世界的には珍しいです。

今回は第5レースで、3番の単勝を20リンギット、3番と4番の馬連を10リンギット買ってみました。

レース観戦!最後の直線は東京並みの長さ

さて、いざレース観戦です。やはりダートでなく芝だと景色が映えます。馬場までは少し距離がありました。正面にはオッズを表示する電光掲示板があります。

直線は結構長いです。もしかしたら東京くらい(500m超?)はあるかもしれません。

肝心のレースはというと・・・

圧倒的1番人気の3番は3着に沈み、4番は着外に沈んだため思いっきり外れました…orz

このあと第6レースも買ってみましたが、いかんせん新聞を購入しておらず、パドックとオッズのみで買った結果見事に惨敗です。雨も降ってきて、レース終了までいると帰りも混雑が予想されることから、2レースを購入して競馬場を後にしました。