【ペナン競馬場訪問記】マレーシア・ペナン島の競馬場で出会った一頭の元日本馬。

 

世界中の競馬場を巡る旅。今回はイスラム国家マレーシアのはペナン島にあるペナン競馬場です。マレーシアの競馬場は4月に訪れたクアラルンプールにあるセランゴール競馬場以来、2か所目になります。これでイポー競馬場を訪れれば、マレーシアはコンプリートです。

概要

イスラム国家マレーシアでも、そこは移民が多い多国籍国家。カジノもあれば競馬もあります。マレーシアには首都クアラルンプールから車で1時間のところにゲンティン・ハイランド・カジノ(Genting Highland Casino)があります。競馬場はクアラルンプール、ペナン、イポーの各都市に3か所あります。クアラルンプールのセランゴール競馬場については以下の記事をどうぞ。

【セランゴール競馬場訪問記】クアラルンプールの鉄火場、Selangor競馬場を訪れた。

2018年4月5日

今回訪れたペナン競馬場は、正式名称をPenang Turf Clubと呼ばれています。ペナン・ターフ・クラブは1864年に創設されて以来、150年以上にわたってレースが開催されてきました。クラブにはゴルフ場もあり、メインコースの中心に7ホール、隣接する敷地に11ホールがあります。

コースは左回りの芝コースで、距離は1周1900メートル、ゴール前の直線は400メートルです。残り200メートル手前くらいに5%の坂があります。スタンドは近代的な3層式で、1〜2階に一般席があります。14,000人のファンを収容でき、入場料は6リンギットです。追加料金20Mを支払えば、エアコン付き指定席を利用できます。セランゴール競馬場と違い、競馬場内にATMはありませんでした。

年間を通して競馬を開催しており、毎年30日程度、月に2~3回の開催日があります。平均して1日に8〜10レースを施行しています。場内のテレビジョンではマレーシア国内のレースのみならず、各国のレースを観戦・購入することが出来ます。筆者が訪れた日は、香港と韓国の競馬場が開催されていました。香港・マカオ・シンガポール・マレーシア・オーストラリアなどの各国では、開催が重なれば相互に各競馬場レースの馬券を買うことが出来ます。

 

アクセス:市街地からは15分程度の近場

ペナン中心部のジョージタウンから車で15分程度のところにあります。近くにはペナンで最も高い「ペナンヒル」があります。時間帯にもよりますが、Grabを利用すると約10リンギットになります。

ペナン国際空港からは車で30分程度(渋滞がなければ)で、料金は約30リンギットになります。ペナン島北のリゾート地であるバトゥ・フェリンギからは車で25分程度(渋滞がなければ)の距離です。

ちなみに筆者はバイクをレンタルして、自分で運転していきました。駐輪場代は2リンギットです。

 

スタンドと馬場:スタンドから馬場が遠い

6リンギットで入れるエリアはかなり限定的です。一応、メインホールのようなところはエアコンがきいていますし、外に出ても日陰なら暑さもしのげ、風も気持ちいい風が吹くのでそこまで不快に感じることはありません。

 

 

上の写真の白い柵で区切られた部分は、20リンギットを払った指定席利用者の屋外観戦場所となります。どう見ても牢屋にしか思えないのですが。下の写真のように、スタンドから馬場まで結構距離があります(おそらく20メートルくらい)。牢屋から見ると、馬場がかなり遠く感じるのではないでしょうか。

 

 

下の写真がエアコンのあるメインホールになります。この写真は正面入場口から入って右手奥から撮った写真です。正面入場口から入ってすぐ左にフードコートがあります。フードコートと言ってもドリンクと福建麺(ホッケンミー)を提供するカウンターがあるのみです。

ジャパン・スタッドブック。インターナショナルのサイトでは「レストラン:週7日開店しているこのレストランでは、シーフードから一般的なペナン料理まで、豚肉を使わない様々な料理を提供しています。レース開催日の午後と夜以外は一般にも開放されており、無料駐車場も完備しています。」とあるのですが、どこのことを指しているのでしょうか。

 

 

ゲートの写真です。屋外にはターフビジョンなどがないので、1100~1400メートルのレースだと出走地点が遠くて見えず、いつの間にかレースがスタートしている状態でした。ちなみに後半になるほど開始時間が遅れ、最終の一つ前のレースでは出走時間が30分も遅れていました。

 

 

以下、ゴール前の写真です。ムーニーバレー競馬場(香港)やパース競馬場(オーストラリア)の看板がありました。他競馬場との提携を表しているのでしょうか。

 

 

また、目につきやすいところに堂々と「A Shin Hikari, Maurice, Lord Kanaloa(エイシンヒカリ、モーリス、ロードカナロア)」と香港の大レースを制した3頭の日本馬が称えられていました。ちなみに以前は「シャドウゲイト、コスモバルク、ディープインパクト」だったそうです。

 

 

パドックとウイナーズサークル:近い

パドックはセランゴール競馬場同様、本馬場入場の直前にあります。誘導馬に連れられて二周したら終わりです。ただ、一般エリアからは見えない奥のところで、このパドックに来る前にさらに別のパドックがあるように思えました。マレーシアの馬主になったら確認しておきます。

 

 

パドックのすぐ横にはウイナーズサークルがあります。日本もそうですけど、こちらは周囲に人がいない分、勝馬やジョッキーとの距離がかなり近いです。普通にその辺のおっさんが、ジョッキーに話しかけたりしてました。パドック周回中はおっさんの発言に耳を貸さないジョッキーも、レース後のウイナーズサークルでは簡単な言葉を交わしても良いようです。

 

 

馬券の種類と買い方:Forecastとは?

以前セランゴール競馬場の記事では4種類(単勝:Win、複勝:Place、馬連:Quinella、三連単:Trifecta)しか馬券がないと書きましたが、実はフォーキャスト(Forecast)という馬券があるそうです。イマイチどういう券種か不明なのですが、英語の説明は Select two horses to finish first and second in any order in a race.(2頭選択し、1着と2着順序関係なしに当てる)とあります。馬連とどう違うのでしょうか。

単勝、複勝の最低掛け金は5リンギットその他は2リンギットです。単勝6リンギットや、馬連5リンギットといった買い方は出来ず、それぞれの倍数のみの金額(単勝10リンギット、馬連6リンギットなど)となります。購入可能通貨はマレーシア・リンギットのみです。

 

レース観戦!元日本馬の参戦も!

さて、今回は9レースあるうちの3レース目から参戦しました。最初は情報誌の読み方が分からず、(Total 33-0-0-0)という表示を日本風に解釈し「なんやこいつ!33戦33勝とか無敵かいな!」とかアホなことを思っていました。そんな最強馬がゴロゴロいるので、「なんてレベルの高い競馬場なんだ!」とか思って、全く予想が立てられません。

仕方ないので、まずは慣れ親しんだ日本の種牡馬がいないかチェックしてみました。ちなみに(Total 33-0-0-0)という表示は(出走数-1着-2着-3着)ですので、この馬は33戦して未勝利の、なんなら馬券圏内ゼロという残念な馬でした。

日本馬を探してページをめくると、ちょうど4レース目にオンファイア産駒の馬が出走しているではありませんか。馬の名前は「Fiery Shinzo」。フィエリシンゾーとはまるで日本馬のような名前です。日本では2015年9月5日に小倉ダート1000mを川島ジョッキー騎乗で出走したのが最後で、その後シンガポールで3戦し、前走からマレーシアへ移ってきました。

気になって調べてみると「ファイアリシンゾウ」という馬がヒットしました。惜しい。前述のとおり、2015年9月5日の小倉ダート1000mで8番人気9着に終わっています。

 

 

シンガポールでは結果が出なかったものの、マレーシアでは2年半ぶりに出走した前走ペナン競馬場でのレース(芝1300m)を見事勝利。マレーシアでは馬番はレーティングの高い(斤量の重い)馬から順番に並んでいるのですが、その前走を評価され、今回のレースでは1番枠(レーティング61、斤量59kg)に入っています。

青鹿毛の凛々しい馬体が入場してきました。6歳馬なので、まだまだ老け込むには早いです。ちなみに平気で10歳馬とかが走って、人気して、3着とかに入ってくるのがマレーシアの競馬です。日本の地方競馬に近いでしょう。

 

 

ファイアリシンゾウのオッズは単勝3.6倍(上の数字、5分の18)、複勝1.6倍(下の数字、5分の8)とかなり人気サイドに支持されています。地元紙(レープロ)でも最有力に支持されています。これは期待できますね!

 

 

というわけで、筆者も参戦して2レース目ですが、ここが大一番ということで大勝負に!ちなみに出走時刻は14:45(マレーシア時間)だったので、ちょうど日本で有馬記念が終わってから20分後のことでした。ちなみにキセキから買った筆者は、その負け分をファイアリシンゾウで取り返そうと目論んでいます。

単勝50リンギット(約1,300円)、その他ファイアリシンゾウを軸に馬連と三連単を(あとから気づいたのですが、この表示だと馬連と三連単、買い間違えていたような気が…)。

 

 

いざ発走!

先行力を活かして道中は前目につけ、最後の直線では先頭に!

いいぞ!そのまま押し切れファイアリシンゾウ!元日本馬の意地を見せるんや!

 

 

と思ったのもつかのま。有馬記念で交わされたキセキを再び見るがごとく、ファイアリシンゾウも交わされ、最後は4着に。

 

 

レースを終え、血走った目で戻ってきました。彼も新ひだか町の牧場で産まれたときは、まさか将来マレーシアに行くなどとは思ってもみなかったでしょう。日本ではたかだか1勝の馬ですが、同じく日本を出て海外で頑張っている者としては応援のし甲斐がありました。これからマレーシア競馬を席巻して、そのうちGⅠ競走を勝ってくれることを期待しています。

 

 

キセキとファイアリシンゾウの大一番に負けた筆者は、その後最終一つ前の8レース目まで馬券を買い続けたものの、結局今回は一度も当たりもせず撃沈しました。次回、イポー競馬場を訪れたときは勝てますように。