先日カンボジアを旅行してきました。
アンコールワットのあるシェムリアップと、首都プノンペン。
筆者はマッチングアプリ「Tinder」に課金をし、世界中どこでも任意のスポットでマッチングを行うことが出来ます。
予めマッチングしておいて、旅先を訪れた際に一緒にご飯を食べたり、観光案内をしてもらったりという旅を楽しんでいます。
今回も同じようにシェムリアップで一人女の子を確保していました。
スタイルのとても良い、少し光浦靖子に似た女の子(23歳)です。
実は事前のやり取りで、「友人の結婚式があるからそれに一緒に行こう」と誘われていた。
行くか悩んだ挙句、異国で結婚式に参加するそう多くないだろうしせっかくだからと参加することにした。
夕方16時。
シェムリアップ国際空港からトゥクトゥクに乗り、この日の宿「Kochi-ke(高知家)」にチェックイン。
一泊4ドル、バックパッカー御用達の格安ドミトリーである。
ヤスコから連絡があり、17時に迎えに来るとのこと。
向かに来たヤスコは、Tシャツ・ジーンズとすごいラフな格好をしている。
とてもこれから結婚式に行く装いには見えないが、カンボジアの結婚式とはどれだけラフなのだろうか。
ヤスコに行きましょうと促される。
外に出ると、そこには125ccスクーター(HONDA CLICK 125I)が。
決して大きくはないバイクに80キロ近い男を後ろに乗せて運転するのは大丈夫かと心配になる。
そして当たり前のように筆者の分のヘルメットはなく、ノーヘルだった。
バイクに跨るとヤスコから「ここから45分くらいよ」と告げられる。
え、遠いな!
ヤスコのバイクはシェムリアップ市街地を抜け、国道6号線に出て、ひたすら東へ向かう。
6号線沿いはシェリムアップ市街地のように観光地化はされておらず、市民の生活ぶりがうかがえる。
インドネシアでいうルコがたくさんひたすら並んでいる感じだ。
途中、宿泊しようと思っていた「コートヤード・シェムリアップ」の前を通ったが、なかなか不便なところだったので見送って正解だったかもしれない。
高い建物がなく、広い駐車場に平屋建ての建物、右側走行左ハンドル、直線道路、たくさんみかけるピックアップトラック。
シェムリアップについた時から思っていたが、ここはアメリカの田舎町に似ている。
6号線を10分くらい走っていると、道路が狭くなり片側1車線の道になった。
周辺に建物はなくなり、田んぼや木々が続く。
街灯も少なくなり、星空が綺麗だ。
ヤスコは急いでいるのか、結構飛ばす。
整備された道ではあるのだが、70~80km/hで飛ばす。
しかも片手で電話しながら飛ばす。
私、ノーヘル。けっこう、いや、かなり怖い。
ヤスコが話しかけてくるのだが、風のせいで何を言っているのかが全然聞き取れない。
適当に頷いていると「Are you sure?」とか聞いてくる。コミュニケーションが難しい、物理的に。
6号線をさら20分くらい進んだところで、急に停車しヤスコが言った。
「あ、5kmくらい行きすぎちゃった。」
だいぶ行きすぎだろう。
さっきまで、運転しながらマップで確認していたのはなんだったんだ。
来た道を引き返すことに。
15分くらい引き返し、結局片道一車線の道になってからすぐのあたりを横道へ入っていった。
全く整備されていない悪路を進む。
乾季のため道がぬかるんでいないのは幸いだが、ふとタンジュン・ルスンの悲劇が頭をよぎる。
だんだんとクラブミュージックのような爆音が近付いてくる。
ヤスコは爆音会場の隣の敷地にバイクを停めた。
そのまま隣の会場に行くと思いきや、上の写真の奥にあるトイレ、のような場所にヤスコは入っていった。
多分トイレだと思うのだが、全くもってそこがトイレだという自信がない。
しばらくするとトイレのような場所から、パーティー姿になったヤスコが出てきた。
上下セパレートになった黄色のボディコンドレス?みたいな服装で、彼女のスタイルの良さを前面に出した服装だ。
ただヤスコの肩口にある弾痕のような傷跡が気になる。
なんでもバイクでコケて負った傷だと言っていたが…。
そうこうしてようやく会場についた。
当初は16時から結婚式だと言っていたものの、この時すでに20時。
まずは入り口で新郎新婦と家族らしき人とあいさつをする。
会場を見渡すと、100m四方の屋外の会場に所狭しとテーブルとイスが並べられている。
前方にはステージがあり、爆音ミュージックがスピーカーから流れている。
見た限り、会場内に外国人はゼロ。
不思議な眼差しを投げかけられる。居心地の悪さが半端ない。
スピーカーのある席の近くに案内されるが、爆音過ぎてとてもいられない。
少し離れたところに、ヤスコが知り合いを見つけたらしく、そこのテーブルに参加することになった。
テーブルにはすでに8人程度の人が座っている。が、全員男である。
そのテーブルに、友人の女の子が外国人の男を連れてきたのだ。居心地の悪さ、ここに極まる。
しかしここまで来て今更どうこうもできないので、開き直ることにした。
まずはテーブルの上を見渡す。
ヤスコがビールを差し出してきた。カンボジアビールだ。
缶の見た目がビンタンビールによく似ている。
この時は、ダックのようなものと野菜のようなものが置かれていた。
少し冷めてはいたが、普通に問題なく食べれる。変な味付けもない。
酔っぱらいすぎてバイクから落ちるのは怖かったが、飲まずにはいられない。
ふとテーブルの上に、虎が描かれた黒い缶を見つけた。
開けようとしたらヤスコに止められた。なんでもこれを飲むと酔っぱらってしまうかららしい。
麻薬成分のようなものでも入っているのかと聞くと、そうではないとのこと。
ならば物は試しと飲んでみる。
中身は黒ビールでギネスのような味わい。
結構いける、こっちのほうがカンボジアビールより好みかもしれない。
カンボジアの人はやたらと乾杯をする。
かといって乾杯したら杯を空けなければいけないわけではない。
しかし3分に一度くらいのペースで誰かしらが乾杯の音頭を取る。
急な異邦人に対しても、乾杯はしてくれる。
だがヤスコ以外、誰も話しかけてこない。ちょっと寂しい。
しばらくすると鍋が運ばれてきた。
屋外で鍋をつまむというのもあまりない。
鍋には野菜と肉団子(?)が入っており、スープごと白飯と一緒に食うというスタイル。
新郎新婦のお披露目の機会がやってきた。
ウェディングケーキではなく、盛り付けられたフルーツが置かれたテーブルの周りを回る。
ケーキの食べさせあいはなく、リンゴを食べさせあう。
ブーケトスはやはり万国共通なのだろう。
何回か投げるフリをするのもやはり定番だ。
だがしかし、カンボジアはここからが違った。
ブーケを取り合うののは男たちなのだ(もちろん女性も参加するが、男がガチ)。
ゴール下にいる桜木花道のごとく、見事なリバウンド。
ちなみにこの時、自分以外にも日本人観光客らしき人を見た。
Tシャツ短パンと場にそぐわない恰好をしていたのもあるが、日本人からすれば日本人の顔は見分けがつく。
結局1時間少々滞在して帰ることにした。
ヤスコがテーブルの上に置いてあった紙を渡してくる。
ここに25ドルを入れ、ご祝儀として帰り際に渡して帰るのだそうだ。
へー、と思っていたら、ヤスコが手を差し出してきた。
「25ドルちょうだい」
…なるほど。
このためにわざわざおれを連れてきたんだな。
再びバイクに跨り、シェリムアップ市街地へ。
パブ・ストリートでアイスロールをつまみ、そこで解散した。
こうして、特になにもなく、シェムリアップの夜は更けていった…。