映画「マイレージ・マイライフ」を視聴してみた。実は哲学的な映画。人はどのように生きていくか…。

 

マイラー御用達の映画「マイレージ・マイライフ(Up in the Air)」。

いつか見ようと思っていたが、ふいに映画が見たくなったのでチョイスした。Amazonでレンタルサービスがあるので、199円でレンタルしてみた。

 

映画紹介と、あらすじと、見どころ

2009年にアメリカで公開された映画。日本では2010年に公開された。現在は字幕・吹替版がAmazonでレンタル視聴できるほか、DVDやBlu-rayも発売されている。

主人公はジョージ・クルーニー演じるライアン・ビンガム。ヒロインはヴェラ・ファーミガ演じるアレックス・ゴーランと、アナ・ケンドリック演じるナタリー・キーナー。ストーリーは、以下Wikipedia「マイレージ、マイライフ」から抜粋・改編、ネタバレ注意

 

ライアン・ビンガムはいわゆる「解雇宣告人」であり、1年のうち300日以上を出張のために全米中を飛行機で飛びまわるのに費やすという人生を送っていた。彼の目標はマイレージを1000万マイル貯め、飛行機に自分の名前を残し、フィンチ機長と面会すること。「バックパックの中に入りきらない人生の持ち物は背負わない」というモットーを持ち、肉親とも距離を置き、結婚にも興味を持たず、旅先で知り合ったアレックスとも気軽な関係を続けていた。

だがある日、新入社員のナタリーが現地出張を廃止してネット上で解雇宣告を行うシステムを提案する。ライアン出張がなくなるピンチ!

ナタリーの研修ということで、ライアンはナタリーとともに出張を続けながら、アレックスとの時間を作ることを計画。一方のナタリーは、人を“切る”ことで初めて目にした様々な人生に衝撃を受け、さらに自らの仕事を皮肉るかのように、恋人からメールだけで別れを告げられたことに心を乱されていた。

3人が初めて顔を合わせた時、ナタリーは、アレックスに対して「気軽な関係」としか言えないライアンを非難する。しかし実はライアンも人生で初めて、空っぽのバックパックに何か入れたい、と思い始めていた。

 

アメリカでも反響が大きく、ジョージ・クルーニーはアカデミー主演男優賞ノミネート、ヴェラ・ファーミガはアカデミー助演女優賞ゴールデングローブ賞助演女優賞ノミネートされた。アナ・ケンドリックに至っては、受賞およびノミネートが多すぎ。

 

 

見どころは、当時23~24歳だったナタリー(アナ・ケンドリック)が可愛い。「あっ、金髪白人美女がリクルートスーツ着たらこんな感じなんだ」と萌えます。30歳を超えた最近になって、一段と女優としての評価を上げているみたいですね。

ストーリーについては感じ方人それぞれだと思うので、下に自分の感想を記しています。

 


(本編より抜粋)

 

感想

以下、ネタバレ注意!!!

 

アレックスは「本物」あるいは「現実」の家族を持っていた。

ナタリーは「本物」の家族を欲していた。

そしてライアンも「本物」の愛を欲するようになっていく。

 

ちょうど独身の自分も、これからどうやって生きていこうかと悩んでいる。

 

アレックスの凄いところは、「現実」と「理想」をきちんと区別できていること。もっともあくまで物語の世界の中の話であって、実際にそれを実現できる人はそう多くないだろう。現に、アレックスを演じたヴェラ・ファーミガも一度離婚している。まぁそれは関係ないか。

自分はおそらくアレックスの状況になれたとしても、二律背反で悩んでしまう。本妻一筋でいなくていいのか、愛人は「息抜き」で満足しているのだろうか。色々悩んだ挙句、いつかボロが出て破綻し、「二兎を追う者は一兎をも得ず」になる。

 

ナタリーはまだ若い。作中では23歳の設定。アナ・ケンドリックは1985年生まれ、2009年に放映された映画なので、恐らく撮影時の実年齢も役回りと同じくらいだったはず。まだ若さの残る青くさい恋愛感情を引きずりながら大人になっていく様が、映画では描かれている。

一人の男を追いかけて地方まで行き、一途に好きになったうえで、振られる。若いうちの失恋、上等ではないか。自分も人は打たれて、へこんで、立ち上がってこそ成長するものだと思っている。

ちなみに作中最後で、ナタリーの転職活動の際に書いたライアンの推薦状。確かに彼女のクビ宣告によって自殺してしまった女性がいた。しかしライアンは「よくあることだ」と流したにも関わらず、ナタリーは「この人はマジでヤバイかも」と予測出来ていたからこそ優秀なんだと。ライアンも、そう自信を持って言えたのだと思う。

 

そしてライアン。厄介事からは逃げ続けて、さもそれが優雅な生活であると振りまきつつも、自分より年下ながら本気の恋愛を経験したナタリーに「おまえは虚しいやつめ!」と指摘され、ようやく現実に向き合い始める。

しかし、ドラマチックな人生を送っている人は必ずしも多くない。

自分も結婚はしたい、子供も欲しい。でもそれって本当に幸せなの?選んだ結婚相手、一生添い遂げられる自信あるの?そう問われると、彼女が出来ていざ結婚を考える段階になると、覚悟が足りず物怖じしてしまう。覚悟があるかどうかだという人もいれば、タイミングだという人もいる。

もっと良い人が今後現れるんじゃないか?そういう保険を自分の中でかけて、今目の前にいる人に100%打ち込めなくなる。

多分、自分のこういう考えもナタリー的な若さによる部分もあるかもしれない。しかし一方で、現実問題として時は残酷であり、老いれば老いるほど、こと恋愛や結婚という面では不利になっていく。

自分の中での「覚悟」と「妥協」。ライアンは、今回はアレックスが実は家族持ちだったということで失敗したが、大企業の講演会を放り投げてまで覚悟を決めたあの瞬間は、尊くカッコいい。いつか、自分にもそういう覚悟を決めれる日が来ればいいと、願っている。

 

まとめ

恐らく他の視聴者同様、自分も標題に惹かれて視聴してみた。

内容としては、年300日以上の出張だとか、1000万マイル到達とか、物語的要素の強い非現実な部分がある。ただしこの映画が伝えたいのは各地を飛び回るビジネスマンがカッコいいとかそういうことではないと思う。

 

人の幸せとはなにか?誰かと一緒になることが幸せなのか?

そして人には人それぞれ、色々な人生や生き方があるのだと。

そういうことを伝える映画としては、非常に分かりやすく見やすい映画であった。