大統領選挙や聖金曜日が絡み、人によっては5連休、筆者も3連休なインドネシア。
しばらく「南の島でのバカンス」もなかったので、急きょ2年ぶりのギリを訪れることにしました。
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「車のない場所」ギリ三島とは?
ギリ島はインドネシアの西ヌサトゥンガラ州に位置する3つの離島(ギリ・トラワンガン、ギリ・メノ、ギリ・アイル)を指します。なお、「ギリ」というのは現地のササック語で「島」という意味で、ギリ島は「島島」になってしまうので正しい呼称ではありません。本文では「ギリ」もしくは「ギリ・〇〇」という呼称を使っていきます。
ギリ三島はいずれも島内にガソリンを使う車両はなく、移動は馬車か自転車のみ(地元住民は電動バイクも使っています)です。そのため島内では、牧歌的な雰囲気を味わうことが出来ます。
各島の雰囲気としては、最も賑やかでパーティーアイランドと呼ばれるギリ・トラワンガン、最も閑静でハネムーンアイランドと呼ばれるギリ・メノに対し、その中間でバックパッカーの島と呼ばれるギリ・アイルとなります。
島内には警察がおらず、自治組織による運営で成り立っています。そのため犯罪を犯した場合は、島独自の処罰が下されることとなります。以前、ある外国人がギリ内で万引きをして捕まった際、「I’m a thief(私は盗人です)」というプラカードを掲げて島内を一周するという罰が下されました。
ギリへの行き方
ギリへ行くには主に2通りのルートがあります。バリのングラライ空港(デンパサール)に降り立ち、船で移動する方法と、ロンボク島のロンボク国際空港に降り立ち、陸路を移動する方法です。
ジャカルタからロンボク国際空港までは飛行機で2時間です。ガルーダをはじめ、シティリンク・ライオンエアー・バティックエアーなどが運航しています。シーズンにもよりますが、往復航空券で200万ルピア(約16,000円)程度でしょうか。
ロンボク空港からは車とボートを利用します。空港にいる白タクに乗車することもできますが、オンラインタクシーを利用するか事前にチャーターしておくのが良いです。チャーターの場合、ギリへのボートがセットになることもあります。
港はBangsalという港がメインになります。パブリックボートからチャーターボートまで、ギリへ行くほとんどの船がBangsalもしくはその近くの港を使います。空港からは1時間半程度です。Bangsalから各島へは、一番近いギリ・アイルだと5分、一番遠いギリ・トラワンガンだと20分程度となります。
今回は片道のみ、事前に貸切の車+ボートを事前にチャーターしておきました。それぞれ30万ルピアずつで、計60万ルピアです。車は4人まで乗れるタイプだったので、割れば片道1人15万ルピアですね。予約はLombok CarTransportというサイトで行いました。Whats Appでやり取り可能です。
「猫島」と呼ばれるギリ・アイルとは?
今回訪れたギリ・アイルはギリ三島の中でも最も東に位置し、最も港から近い島です。ロンボク本島から一番近く、スピードボートで5分程度で到着できます。上の写真の右下の★マークがBangsal港です。
バックパッカーの島と呼ばれるだけあって、バックパックを背負った欧米人を多く見かけました。
島のサイズとしてはギリ・トラワンガンより小さく、ギリ・メノと同じくらいの大きさです。試しに島内を自転車で1周したところ、約1時間程度で巡ることが出来ました。ただ所々、道が整備されていない砂状態の場所があるので、1周するにはタフさが必要となります。
ギリ・アイルは、別名「猫島」とも呼ばれます。島内の至る所でノラ猫を見かけます。ノラ猫たちは人間に非常に懐いており、またボランティアによって去勢されています(去勢された猫は耳に切れ目が入っています)。
のんびりした島で、ノラ猫と戯れるのもまたこの島での過ごし方の一つです。
ギリ・アイルの西側では、波が満ちている日中にビーチから海岸へ遠く離れたところで白波が立っているのを目にします。そこでサーフィンをしている人も見かけます。
「なんであんな遠くで波が立つのだろう」と不思議になりますが、実は西側の海はかなり遠浅になっており、夕方の干潮時には300m先の海でひざざ下まで干上がるといった有り様です。
なので浅くなった海に夕焼けが鏡面反射し、天気が良い時はウユニ塩湖のように見えることもあるそうです。
ホテル・ヴィラ:評価No.1のレストラン併設
今回宿泊したのは「Mowies Gili Air Bar and Bungalows」というヴィラです。港からは約500mの距離にあり、築5年とまだ新しい建物です。
特徴は併設されているレストラン。Googleマップなどでも高く評価されています。ギリ・アイルのレストランは夜のみの営業のところが多く、昼間にオープンしているところは多くありません。その中で、Mowiesはランチタイムなら周辺でトップ、夜の時間でもトップクラスの評価を受けています。
実際今回の滞在では食事のほとんどをこちらで済ませたので、ほぼすべてのメニューを試してみましたが、いずれもかなり高いクオリティでした(もちろん場所の雰囲気も込みです)。
部屋は3人で宿泊し、キングベッド1つに2段ベッドが1つのファミリーコテージという部屋で1泊1,050,000ルピア(約8,500円)でした。朝食込みの値段です。
スタッフの愛想も良く、アーリーチェックインも無償で対応してもらい高評価なのですが、唯一シャワーは温水が出ず、しかも海水混じりなのが残念でした。
ダイビング:金髪姉ちゃんとバディに!
ダイビングの予約は、現地で直接ダイブショップを探すほうが早いです。
今回は宿泊先のおススメで、港のすぐそばに位置しており恐らくギリ・アイル内で最大手と思われる「Ocean 5 Dive Resort」にしました。着いた日に翌日のダイビングを予約しましたが、全く問題ありませんでした。
予約時にCカードの提出を求められますが、コピーやデータでもOKです。白人のスタッフが英語で対応してくれます。この島ではインドネシア語より英語のほうがよく使われる印象ですね。支払は各種クレジットカードが使えますが、インドネシアのデビットカードはMandiriのみ対応していました。
ファンダイブは1本49万ルピアで、1日3回出発時刻(8:30、11:30、14:00)があります。各時間とも1ダイブのみとなります。また、ダイブ本数に応じて割引があります。ちなみにナイトダイブは1本60万ルピアです。PADI OWDライセンス取得コースなどもありました。
さて、いざ当日。
友人と行ったギリ・アイルですが、他の2人はダイビングをしないと言われたので一人ダイブショップに向かいます。他のダイバーはほとんど欧米人で、アジア人は結局自分一人でした。
インドネシア人の兄ちゃんインストラクターに自分含め4人のダイバーです。ドイツ人の2人はカップルのようで、自分のバディはシンガポール在住のハンガリー人女性。つまり、ナイスバディの金髪白人お姉さん。テンション爆上げ⤴⤴ですね!!!
聞けば、このショップでOWDを昨日取得し終え、今回が初のファンダイブとのこと。そしてGoProデビューの筆者に、「私カメラ忘れたからいっぱい写真撮ってあとで送ってね♡」ですって。なにこれ、連絡先交換確定ですやん。今晩ワンチャンあり??
と、いつも以上に色んな意味でワクワクしながらボートへ乗り込みます。
ダイビングスポットはギリ・トラワンガンの北側にあるHalikというポイントです。Shark Pointにも近く、運が良ければサメが見れるかもしれないとのことでした。結局出会えませんでしたが…。
ギリの海は本当に透明度が高いです。
そしてどこを潜ってもウミガメに出会えるくらいウミガメが多いです。ギリには2種類ウミガメがいます。「タイマイ」と「アオウミガメ」です。
タイマイは甲羅の模様がぼやけていたり、甲羅の尾のほうがギザギザだったりという特徴があります。
一方、アオウミガメは甲羅の模様がくっきりしているという特徴があります。
下の写真でいうと、真ん中はタイマイ、右と左はアオウミガメになります。
ウミガメは触れない限り人が近付いても逃げることはありません。それくらい人間に馴れているので、ウミガメとのツーショットもたくさん撮ることができます。
シュノーケリング:100%ウミガメ見られます
ギリの海はすべてがシュノーケリングスポットです。それでも良いスポットへはボートで少し沖合に行ったほうがいいでしょう。
アクティビティとしてシュノーケリングを行う場合は、ボート貸切と乗合ツアーがあります。今回は貸切ボートを利用しました。貸切料金は60万ルピア。3人で貸し切ったので1人あたり20万ルピアですね。
時間指定は自由だったので、昼の15時からでお願いしました。潮の流れが速いところや、波が強いところなどもあったため、最終的に3時間で5つのポイントを巡ってくれました。
左の写真は石像ポイント(Meno Wallのあたり)です。人工的に沈められた石像とはいえ、太陽光が差し込み、その周りを小魚が囲んでいる様子は神秘的なものがあります。
なお、ギリ・アイルでビーチからシュノーケリングを行う際のおすすめスポットは、北側の浅瀬が広がっているエリアになります。水深5~10m程度と浅いですが、そこそこ大きめな魚や運が良ければここでもウミガメに遭遇できます。
まとめ
意外なことに、そもそもギリ三島はインドネシア人の間ではあまり有名ではありません。日本人の間だと、「ギリに行ってきた~」というとギリ三島のどこかに行ってきたんだなと通じますが、インドネシア人はあまり通じません。
ロンボク島周辺の島々はいずれも「ギリ・〇〇」と名称がついていることや、そもそも海洋国家のインドネシアでは自分の地元や現在の居住地に近いところにそれぞれ綺麗な海はあるので、わざわざ遠くのギリ三島まで行くのは外国人くらいといったところでしょうか。
ジャカルタからは飛行機2時間、車1時間半、ボート5分。片道4時間で喧噪離れた南国の楽園バカンスを楽しむことが出来ます。バリとはまた違った牧歌的な島で、心の洗濯をしてみてはいかがでしょうか。