【インドネシア】仮想通貨(ビットコイン・リップル)をつかって海外から日本へ送金してみた。

 

海外で頭を悩ますことの一つが「現地通貨の日本への送金」です。銀行を介すると手数料を取られたり、レートが悪かったりと何となく損した気分になります。

最近ではフィンテックも発達し、Transferwiseは画期的なサービスだと思います。

しかし残念ながらTransferwiseはいまだに「インドネシアルピア→日本円」の送金に対応していないため、在住邦人にとっては選択肢に入りません(逆向きの送金は可能です)。

そんな中で試す価値があると思ったのは仮想通貨です。

 

 

筆者はインドネシアの仮想通貨取引所「INDODAX」に口座を開設しています。

インドネシアの仮想通貨の現状と展望。中銀規制や取引所開設について。

2020年に入ってからまた仮想通貨は上昇傾向にあります。ビットコイン(BTC)も100Jutaから120-130Jutaへ上昇しています(2020年2月3日現在)。

たまにINDODAXで取引をするのですが、ふと仮想通貨で円転(外国通貨を日本円に換えること)できないかと思い立ったのがきっかけです。

 

日本の仮想通貨取引用口座の開設

必要なもの
1.マイナンバー
2.日本で使えるSIM(SMS受信のため)
3.VPN環境(いくつかの取引所は日本からのアクセス限定のため)

仮想通貨の受取には日本側での口座開設も必要です。

今回は各種取引手数料が無料と謳われているDMM Bitcoinで口座開設しました。

マイナンバー

口座開設に当たってはどこの取引所もマイナンバーを求められます。マイナンバー交付以前から海外に在住していて保有していないという方は、まずは取りに行きましょう。

色々デメリットも取り沙汰されてはいますが、金融関係(銀行・証券・クレジットカード)の新規発行・開設には必須となるので取得しておきましょう。

日本で使えるSIM

それからアクティブな日本の携帯番号とSMSを受信できるようにしておきましょう。

日本のSIMを入れたスマホでも、データローミングさえオフにしておけば、海外にいても無料でSMSを受信できます。

どうしても準備できないという方は、日本に住んでいるご家族の力を借りてください。

VPN環境

DMM Bitcoinは海外からのアクセスを受け付けていないので、VPNを利用して日本のサーバーからアクセスする必要があります。

 

仮想通貨による円転プロセス

円転プロセス
INDODAXへ入金(利用銀行によるが約1時間、銀行によって送金手数料 6,500 IDRが発生)

INDODAXで購入する。成行買い注文で0.3%の手数料

INDODAXからDMM Bitcoinへ送金。SMS手数料送金手数料が発生(金額は以下)。

DMM Bitcoinのウォレット口座に着金。

DMM Bitcoinのトレード口座へ移行し、BTC(XRP)/JPYの成行売り注文。

DMM Bitcoinのトレード口座からJPYをウォレット口座へ移行。

DMM Bitcoinのウォレット口座から銀行口座へ出金(3営業日)。

INDODAXに入金してからDMM Bitcoinのトレード口座に着金するまではそこまで時間はかかりません。リップルなら最短1時間弱で完了します。

ただしDMM Bitcoinからの出金に時間を要する(3営業日)ため、着金時間という観点でいうと銀行送金と変わりありません

なんなら以前BCAから三菱UFJ銀行へ外貨送金した際は1営業日で着金したので、経由銀行の少ない大手銀行なら銀行送金のほうが早いかもしれません。

 

BTC(ビットコイン)による送金

BTC送金の特徴
1.送金時間は約1-2時間
2.INDODAXで取られる送金手数料高め(70,000 IDR / 約600円)
3.DMM Bitcoinでのスプレッド低め(0.3%)

まずはBTC(ビットコイン)からです。特徴は上記の3つ。

送金時間ですが、25Juta分(約0.212BTC)を15:00に送金依頼を掛け、16:30に着金したため、1時間30分を要しました。

INDODAXでの手数料ですが、SMS手数料が0.0001BTC、それから送金手数料が0.0005BTC合計0.0006BTC発生します。

これがどれくらいかというと、仮に【1 BTC = 125,000,000 IDR】だとすると、75,000 IDR(約600円)となります。銀行送金手数料(着金手数料込み)が4,000円程度なのでそれよりはお得になりますが。

一方でDMM Bitcoin側でのスプレッドは低く抑えられているため、JPYに換金する際はあまり損をしません。

 

差額が3,053JPY、中間地と売値の差が約0.3%。

 

最終的に25,000,000 IDR(当時レートで201,013円)で購入したBTCは、JPYに換金した際は 197,150円となり、直レートより3,863円の損となりました。

 

XRP(リップル)による送金

XRP送金の特徴
1.送金時間は約5分(激速!)
2.INDODAXで取られる送金手数料安め高め(2,200 IDR /約18円)
3.DMM Bitcoinでのスプレッド高め(5.5%)

次にXRP(リップル)です。特徴は上記の3つ。

送金時間ですが、10Juta分(3150XRP)を15:25に送金依頼を掛け、15:31に着金したため、わずか6分で送金が完了しました。さすが送金の速さに定評のあるリップルです。

INDODAXでの手数料ですが、SMS手数料が0.2XRP、それから送金手数料が0.5XRP合計0.7XRP発生します。

これがどれくらいかというと、仮に【1 XRP = 3,200 IDR】だとすると、2,240 IDR(約18円)となります。

銀行送金手数料(着金手数料込み)が4,000円程度、ビットコインでも600円程度なので、それらと比較してもかなり安めですね。

一方でDMM Bitcoin側でのスプレッドはかなり高めに設定されています。そのため、DMM Bitcoinでリップルを日本円に換金する際はかなり損をします。

 

差額が1.502JPY、中間地と売値の差が約2.7%。

 

最終的に10,000,000 IDR(当時レートで80,354円)で購入したXRPは、JPYに換金した際は 75,808円となり、直レートより4,549円の損となりました。

 

まとめ

銀行送金の場合、3,000円の送金手数料が発生するほかとJPY/IDRの場合はスプレッドが約1%上乗せされます。

以下の表は送金手数料とスプレッドを勘案した後、銀行送金した場合の直レートの差です。送金手数料が固定されている分、送金金額が多くなれば多くなるほど直レートとの差が縮まっていきます。

¥10,000 31.8%
¥50,000 7.4%
¥100,000 4.4%
¥200,000 2.9%
¥300,000 2.4%
¥500,000 2.0%
¥1,000,000 1.7%

 

最終的に25,000,000 IDR(当時レートで201,013円)で購入したBTCは、JPYに換金した際は 197,150円となり、直レートより3,863円の損となりました。直レートとの差は1.92%です。

最終的に10,000,000 IDR(当時レートで80,354円)で購入したXRPは、JPYに換金した際は 75,808円となり、直レートより4,549円の損となりました。直レートとの差は5.66%です。

送金時 入金時 差額
BTC 201,013 197,150 3,863 1.92%
XRP 80,354 75,808 4,546 5.66%

 

結論
ビットコインは、500,000円までの送金なら銀行送金よりも得。
リップルは、論外。

リップルは確かに仮想通貨取引所間の送金は早いですが、キャッシュがいち早くほしなど日本円として銀行口座に入るまでの時間を重視する場合、DMM Bitcoinのような取引所からの出金に2-3営業日かかるため、仮想通貨自体が向いていないのかもしれません。

ビットコインは少額ならば銀行送金よりもお得になるので、これは一つのオプションになりますね。

いずれにせよ、仮想通貨ならそのまま保有しておいてタイミングを選んでJPY換金することが出来るので、場合によってはプラスで円転することが可能なのも特徴でしょうか(もちろん損する可能性もあります)。