インドネシアのSPG/Marriottホテルでプラチナ資格はアップグレードを獲得できるか!?
検証するため、旧正月(チャイニーズニューイヤー)を利用してインドネシア・スマトラ島北部にある第四の都市メダン(Medan)を訪れました!
メダンってどんな都市?
メダンはインドネシアのスマトラ島北部に位置する都市です。北スマトラ州の州都であり、人口は約210万人とスマトラ島内では最大都市、インドネシア第四の都市です。
地図で見て分かる通り、アチェに次いでインドネシアの西の果てにある都市です。そのため首都ジャカルタとは文化や風俗など異なる面が多いです。物理的な距離もジャカルタより、マレーシアのクアラルンプールやシンガポールのほうが近いです。
かつてはメダン日本人学校がありましたが、現在はありません。在メダン日本国総領事館は現在でもあります。
メダンの歴史
元々マレー人が住んでいた小村で、都市としての歴史は浅いです。
19世紀後半に植民地宗主国オランダなどが、東スマトラ一帯でタバコ、ゴム、茶などのプランテーション農園を開発しましたた。メダンはそれらの商品作物の中心的集荷地となり発展していきました。
また、プランテーションで大規模な労働力需要が発生したため、多数の華人移民労働者が移入し、現在でも都市の人口構成においては華人の割合が高いことでも知られています。
メダンの気候
赤道に近いこともあり、メダンではジャカルタやバリであるような乾季が存在しません。年間降雨日数は200日を超え、毎月半分以上の日に雨が降っています。特に9-12月は降雨量も多くなります。
ジャカルタからメダンへ
フライトのチョイスと予約
さて、今回メダンに行くにあたりフライトをどうしようかと結構悩んでいました。最初はガルーダ往復でメダンのラウンジを楽しむか、ライオンエア往復でコストを抑えるか、はたまたバティックエアのビジネスクラスに乗ってみるか、色々選択肢があり迷っていました。
当初はバティックエアのビジネスが有力だったのですが、これはライオンエアもしくはバティックエアの公式サイトからしか予約できません。正確には、恐らく予約サイトでもいけるのでしょうが、自分は他の方法が分からなかったです。
で、このライオンとバティックの公式サイト、日本のクレジットカードが使えません。インドネシアのクレジットカード、もしくは一部銀行ならオンラインバンキング、どちらもだめならATM払いと支払いプロセスがかなり限定的です。
ATM払いでもよかったのですが、出向くがめんどうだったので、最終的にTiket.comから往路バティック、復路ライオンのエコノミーを予約してモバイルバンキングで決済しました。
インフレするスカルノハッタ空港
いざ出発当日。
朝11時発の便だったので、空港でかるく朝飯を取ろうと思っていました。出発ターミナルは1Cで、手荷物検査を超えたら店がほとんどないので、検査前に水を買うことに。
AQUA600ml、普段コンビニなどで買えば3,500ルピアくらいです。さて、それが空港で買うと??
どーん!
3倍の値段ですね!あほですか!
手荷物検査前のショッピングエリアね、だれでも入れるんすよ!日本の空港の国内線チェックインカウンターとかもそうですよね。で、誰でも入れるのだから別にそこで値段を高くする必要ないですよね。
こんなことしてるから、いつまでたっても賄賂の国だとかぼったくりに気を付けろとか言われるんですよ、この国は。
バティック・エアに乗ってみた
気を取り直して、いざ搭乗です。
親会社のライオンエアとは違い、バティックエアは定時運航に定評のあるフルサービスキャリアです。さすがにチャイニーズニューイヤーとあって、空港も混雑していますが、バティックエアなら大丈夫でしょ!と高を括っていたら・・・。
見 事 に 遅 延。
頼むよ、もう。
バティックエアの機内エンターテイメント
全席モニター付きで、機内エンターテイメントでは日本語を選べます。しかし日本の映画などは一切ありません。
バティックエアの機内食
食事はカップケーキ、ごはん、鶏のから揚げ。熱々で出てきたので唐揚げは意外と美味しかったです。
メダンのクアラナム国際空港
2時間少しのフライトを経て、無事メダンのクアラナム国際空港(KNO)に到着です。
まず思ったのが、この空港2013年に開港したばかりとあってかなり綺麗です。白を基調として天井が高いのは、どことなく関西空港を思い起こさせます。
クアラナム空港は国際空港ですが、国際線のほとんどがマレーシア(クアラルンプール・ペナン・ジョホールバル)もしくはシンガポール便です。一部、タイや香港、コロンボ行きもあります。
メダンにはかつて「ボロニア国際空港」という空港がありましたが、キャパ不足によりクアラナム国際空港が新設されました。ボロニア空港時代の1997年、日本人を含む乗客乗員234人全員が死亡したガルーダ・インドネシア航空152便事故が起きています。この事故はインドネシア史上最悪の航空事故として知られています。
クアラナム空港から市内へは空港鉄道
クアラナム国際空港からメダン市内までは約30キロあります。タクシーで移動すると1時間近くかかり、また市内までは約150,000~200,000ルピアです。
先日ジャカルタでも空港鉄道がオープンしましたが、メダンではクアラナム国際空港の開港に合わせて一足先に空港鉄道(エアポートレールリンク)がオープンしています。
日中は約30分おきに出発しており、メダン市内の国鉄メダン駅まで直行で向かいます。料金は一律100,000ルピアで、乗車時間は50分です。
メダン空港鉄道でのチケットの買い方
チケットはカウンターの他、券売機で買うこともできます。BCAのキャッシュカード(デビットカード)は使えませんでしたが、こちらは日本のクレジットカードは問題なく使えました。
チケットはICカードとレシートタイプの2つが出てきます。改札をICカードで抜け、座席などはレシートに記載されています。ちなみに電車は全席座席指定です。
メダン空港鉄道の駅と車両
駅舎も新しいため綺麗です。店などはないので、本当にただ電車を待つだけでした。
空港鉄道に用いられる電車も新しくて綺麗です。車内の様子は撮り忘れました…。席によってはエアコンが効きすぎるところがあるのが難点です。恐らく出発したら適当に空いている席に移動しても問題ないと思われます。
メダン駅(Stasiun Medan)に到着
途中、信号待ちなのか10分程度停車している時間もありましたが、ほぼ定刻通りにメダン駅に到着。メダン駅はメダン市内の中心部にあり、筆者が宿泊したJWマリオットメダンなど、名だたるホテルやショッピングモールはこの近くにあります。
駅周辺の建設ラッシュが印象的でした。
メダンでおススメの料理
さて観光資源が何もないメダン市内。取柄と言えば、華僑が多いことによる食の美味しさ!特に地元のバタック料理と中華料理は安くて美味しい店が豊富とのことです。
ちなみにバタックとは、バタック族(スマトラ島北部のトバ湖周辺を起源とする民族)に由来し、現在ではメダンを始めパダンなど北スマトラ出身の人や料理を指します。メダン出身の人のことを、普通にOrang Batak(バタック人)と言います。キリスト教が多いエリアでもありますね。
バタック料理:Arsik ikan mas(鯉の煮つけ)
まずはバタック料理。Arsik ikan masという料理で、直訳すると「鯉の煮付け」です。見た目は辛そうですが、実際はそこまで辛くありません。問題は小骨の多さ。インドネシア人でも「ikan mas = 骨が多い魚」という方程式が出来上がっているくらい、骨が多く食べづらいです。鯉なので味は淡泊で、めっちゃさっぱりしています。タレの味付けは結構濃いのですが、逆にそれくらいじゃないとあっさりしすぎて食べた気にならないかもしれません。
中華料理はSelat Panjang通り
もう一つの食の名物は中華料理。メダン市内にはいくつか中華料理の店や屋台が並んだエリアがありますが、今回訪れたのはメダン駅の東にあるJl. Selat Panjang(セラット・パンジャン通り)です。
海外に移住して居座った中国人を華僑と呼びます。彼らの食は、生まれ故郷である中国の中華料理と、移住先の国の食材を組み合わせた華僑料理として、世界各国で親しまれています。
東南アジアだと、シンガポールの食がまさにそんな感じです。海南鶏飯(ハイナン・チキンライス)や福建麺(ホッケンミー)などが有名ですね。
メダンの海南鶏飯(チキンライス)
ジャカルタでもチキンライスを食べたいと思い、いくつか店を探したのですが中々「これだ!」という店には出会えていませんでした。しかし!ここメダンで、まさにシンガポールの味を再現したかのようなチキンライスに出会えたのです!
何より感動したのが、ライスの味付け。チキンライスは鶏の出汁でご飯を炊くのですが、その味付けが意外と難しい。コクのある奥深いライスは、門外不出なのか中々再現できるものでもありません。しかしここのチキンライスのライスは、一口食べた時点で「シンガポールの味だ…っ!」と衝撃が走りました。
ライス以外はやや異なり、チキンはスチームでなくロースト。またチキン以外に小エビや煮卵もついています。いずれもライスとよく合い、食が進みます。
ちなみに海南鶏飯、インドネシア語ではNasi Ayam Hainanと言います。これまた直訳ですね。
メダンの福建麺(ホッケンミー)
近くにはホッケンミーを提供している店もありました。が、こちらは作っているところや写真を見たところ、シンガポールのホッケンミーとはだいぶ異なる料理のような気がします。
バイクのベチャ
メダン市内で気になった乗り物がこちら。
良く言えばサイドカー付きバイクです。ジャカルタでは見かけない形をしています。メダンの人に「この乗り物は何というのか?」と尋ねたところ、「ベチャ(becak)だ」と言われました。しかし筆者は、ベチャと言えば下の写真のような自転車が一般的だと思っていました。
「ベチャってバイクじゃなくて自転車のことを指すんじゃないの?」と尋ねたところ、「え、でもあれはベチャだよ」と押し切られてしまいました。そういわれると何も返す言葉がないので、メダンではバイクのものもベチャというのでしょう。
しかし自転車のベチャはまだ「客席付自転車」とか日本語に訳せますが、バイクの場合はどうしたものでしょうか。
メダン観光のまとめ
インドネシア第四の都市・メダン。華僑やキリスト教のバタック族が多く、インドネシアの中でも異彩を放つ街です。都市としては、まだまだ建設ラッシュが進んでおり、これからジャカルタのように発展していくのかなと感じました。逆に言えば、今のメダンは20年前のジャカルタといった感じです。
スラバヤ同様、市内は観光資源に恵まれませんが、観光特区に指定されたトバ湖にも近いですし、料理も美味しいです。安いJWマリオットやSPGのフォーポインツホテルなどもあります。ぜひ1泊2日くらいで訪れてみてはいかがでしょうか。
ちなみにタッチの差(ジャカルタに戻った翌日)でシナブン山が噴火したようですが、航空便への影響は今のところなさそうです。以前もバリ島のアグン山が噴火した前日にバリから戻ってきたりと、かろうじて噴火を逃れています。もしかしたら自分は、訪れたところで噴火を促す噴火男なのかもしれません。