インドネシアの仮想通貨の現状と展望。中銀規制や取引所開設について。

(2019年5月13日付で、一部記事内容をアップデートしています)

日本では、有名な仮想通貨取引所CoincheckがNEM(仮想通貨の一つ)を盗まれた事件が世間を賑わせています。通貨の行方や取引所の対応、補償内容などは今後の日本の仮想通貨業界の行く末を占いそうです。一方で、LINEが取引所を開設するといったニュースも入ってきており、昨年に引き続き仮想通貨はトレンドワードとなっています。

さて、そんな日本での仮想通貨の話題はさておき、筆者のいるインドネシアでも仮想通貨を売買することが出来ます。しかし現在の状況、すなわち仮想通貨の立ち位置や今後の展望については日本とは大きく異なります。

インドネシアで仮想通貨取引をしている日本人はまだまだ少ないと思います。既に始めている人、これから始めようとする人に向けて、自分なりに現況と展望をまとめてみました。ただし筆者も仮想通貨取引を始めたばかりで、専門家などとは口が裂けても言えないので、ほぼ素人の戯言と思ってください。

 

 

2018年1月より仮想通貨取引をインドネシアで開始

筆者が取引所を開設したのは2018年年明けすぐのことです。

日本の取引所は住所証明もあり、何より日本円での入金なのでルピア建てで給与をもらっている筆者としては送金リスク(手間や手数料)もあるので、インドネシアでルピアで取引できないか考えていました。

とりあえず最大手で在住日本人のブログでも紹介されていたBitcoin.co.idで始めました。サイトが英語表記があり、前述のブログで開設方法なども記載されていたからです。取引所開設方法や入金方法、売買方法は下のほうで紹介します。

とりあえず4,000,000ルピア(約33,000円)入金し、適当に買ってみます。本命のBitcoin(BTC)は当時1BTC= 220,000,000ルピア(約1,833,000円)だったので、もう少し単価の安いものを買います。ちなみにあとで説明しますが、BTCは1BTCからしか買えないわけではなく、0.0001BTCくらいから買えます。筆者が購入したのはIGNIS、BTG、NXTでした。

2019年5月13日時点で、1BTC = 102,865,000(約780,000円)です。

 

購入後1週間で大暴落

1月9日に始めた時点で、最高値からは下落傾向にあったのですが、その1週間後の1月16日。

 

 

大暴落です。

BTCのみならず、取引所で扱っている仮想通貨がすべて暴落しています。その暴落率はひどい場合だと50%にも及びました。これによって筆者の保有資産も半減しました(4,000,000ルピア→2,500,000ルピア)。ただし今の時点でも損切りはしていないので、現金が減ったということではありません。

 

突如、中央銀行の声明が発せられる

2018年1月13日、突如としてインドネシア中央銀行(Bank Indonesia)が仮想通貨に関する声明文を発表しました。

インドネシア中央銀行は13日、インドネシア国内では仮想通貨の売買や取引を認めないとする声明を発表した。今回の声明は政府による正式な禁止を示すものではないが、仮想通貨に関連する全ての活動に対して警告している。インドネシアでは2017年10月、国内に拠点を置く「BitBayar」と「TokoBitcoin」の2つの取引所が自主的に閉鎖していた。

Money Voice 『インドネシア中央銀行、仮想通貨取引を控えるよう警告(1月15日付)』より抜粋

中央銀行が出した声明文はこちら(インドネシア語)

 

以前まではバリ島の一部店舗(約40店舗)で仮想通貨を利用した支払いができましたが、2017年12月上旬に中銀から法的拘束力のある「規制」が発布され、仮想通貨の利用が禁止されました。しかし、それ以降も取引所での仮想通貨の売買は可能なままです。

今回は法的拘束力のある政令や規制ではなく、ただの声明文です。国民に対して「仮想通貨なんてやらないでほしいな~」と言っているのです。当然、それに従わなければならないわけでもないです。

前述の世界的仮想通貨暴落の理由は、このインドネシア中央銀行の声明文が理由の一つではないかともいわれています。

 

今後の展望は?

ただし一部メディアでは、今回の中銀からの声明文をいわば「最終通告」として受け止めるべきだという意見もあります。「近いうちにインドネシア国内では売買取引を含めて仮想通貨を全面禁止にする。手仕舞いするなら今のうちだ」といったニュアンスが含まれているそうです。

では、今後インドネシアでの仮想通貨取引はどのように進んでいくか。考えられるのは以下の3パターンです。

 

  1. 急に一切禁止になる・・・インドネシアのことだから、あってもおかしくはない。取引所は即閉鎖、換金・出金不可?海外取引所(例えば日本)への仮想通貨送金も不可になる?
  2. 禁止令が発令され、一定期間後禁止になる・・・禁止時まで取引所は稼働する。しかし売りが先行し、価値は暴落。元本保証など夢のまた夢。誰が先により早く売るかの売り合戦になる。
  3. 取引禁止にはならない・・・このまま売買取引は可能。価格の上下変動は世界の仮想通貨と同様のグラフを辿る。しかし、いつ禁止になるか分からないリスクがあるため新規参入・新規買いは控えめになるかも。

 

筆者は万が一「①急に一切禁止になる」場合に備え、全額失っても生活には問題ない金額で売買取引を続けていこうと思います。

 

一応やりたい人向けに、取引所開設の注意点

前述したように、筆者はBitcoin.co.idで取引所を開設しました。あえて暴落した今だからこそ、仮想通貨を始めてみたいという方向けに開設方法を紹介します。

登録自体は難しくありません。英語モードに変えてから、電話番号や住所などを入力していけばいいです。すこし厄介なのが個人認証(Verification)です。写真を2枚アップロードする必要があり、1枚はID(パスポート)コピー。もう1枚が、「指示された文章を紙に書いて、その紙を持った自分の写真」を撮ります。

この指示された文章を紙に書くというのを、なぜか「パスポートを手に持った自分の写真を撮る」と解釈しており、ひたすらパスポートを持ったセルフィーを撮ってはアップロードし否認(Reject)され続けていました。サイト側からしたら「なんやねん、こいつ…」状態だったと思います。5回くらい送って何かおかしいと気づき、やっと正しい写真を送ることで認証されました。

個人認証が完了する前に入金、売買は可能ですが、出金は個人認証が完了しないと行えません。ちなみに初期状態では一日の出金限度額は10,000,000ルピアに設定されています。出金限度額を上げるのもオンラインで書類の提出が必要ですので、注意してください。

入金はCIMB NiagaPermata Bankへの送金になります。ただし2018年1月31日時点では、Permata Bankがなくなり、銀行送金の場合はCIMB Niagaのみになります。手数料が6,500ルピア取られます。また銀行によっては別途銀行間送金手数料を取られることもあります。Permata Bankは即時反映でしたが、CIMB Niaga経由の場合1~2時間くらいかかる場合があります。筆者の場合はだいだい30分程度で反映されました。

2019年5月13日時点では、Maybankへの送金となります。筆者はCIMB Niagaから送金しましたが、銀行側の送金手数料は無料でした。またOVOからの送金も可能となっています。

売買取引自体は、一般的な株取引と変わりません。注文は成行(その時の金額で売買、手数料は0.3%)と指値(金額を指定し、その金額になったら売買実行。手数料は0-0.3%)です。

まとめ

最後に取引ボリュームですが、24時間ベースでBTCだと100,000,000,000ルピア(1,000億ルピア=約83億円)くらいの取引量はあります。瞬間的に多くなると3,000億ルピアに達することもあります。通貨は12種類あり、2018年1月31日のある時間の時点では、24時間全通貨トータルで5,000億ルピア(約400億円)の取引があります。

2019年5月13日時点では、24時間ベースのBTCで約80,000,000,000ルピアの取引量となっています。

さすがに中銀もこれだけの取引量があるものを、即時禁止にするとは考えにくいというのが筆者の見解で、引き続き売買取引を続けようと思った理由です。しかしインドネシアの行政は朝令暮改、急に突拍子もないことを言い出すことで有名です。何が起こってもいいように、全財産を突っ込むとかはやめときましょう。