インドネシアで仮想通貨取引所を開設して仮想通貨を売買してみた。

ご存知でしょうか。

インドネシアでも仮想通貨を売買することが出来ます。

昨今、インドネシアで仮想通貨取引をしている日本人はだいぶ増えてきたと思います。これから始めようとする人に向けて、取引所の開設方法と、自分なりに今後のインドネシアにおける仮想通貨の現況・展望をまとめてみました。

仮想通貨を用いたインドネシアルピア→日本円への送金方法も紹介しています。

2018年1月より仮想通貨取引をインドネシアで開始

筆者が取引所を開設したのは2018年年明けすぐのことです。

インドネシアで仮想通貨初めてみました。

— ダリマナ (@darimana_id) 2018年1月9日

日本の取引所は住所証明もあり、何より日本円での入金なのでルピア建てで給与をもらっている筆者としては送金リスク(手間や手数料)もあるので、インドネシアでルピアで取引できないか考えていました。

とりあえず最大手のIndodax(旧Bitcoin.co.id)で始めました。サイトが英語表記なため外国人でも扱いやすいです。取引所開設方法や入金方法、売買方法は下のほうで紹介します。

とりあえず4,000,000ルピア(約33,000円)入金し、適当に買ってみます。本命のBitcoin(BTC)は当時1BTC= 220,000,000ルピア(約1,833,000円)だったので、もう少し単価の安いものを買います。

ちなみにBTCは1BTCからしか買えないわけではなく、0.0001BTCくらいから買えます。筆者が購入したのはIGNIS、BTG、NXTでした。

2019年5月13日時点で、1BTC = 102,865,000(約780,000円)です。
2020年2月13日時点で、1BTC = 142,000,000(約1,146,000円)です。
2021年2月22日時点で、1BTC = 800,000,000(約6,000,000円)です。/(^o^)\ナンテコッタイ

購入後1週間で大暴落

2018年1月9日に始めた時点で、最高値からは下落傾向にあったのですが、その1週間後の2018年1月16日。

大暴落です。

BTCのみならず、取引所で扱っている仮想通貨がすべて暴落しています。その暴落率はひどい場合だと50%にも及びました。

これによって筆者の保有資産も半減しました(4,000,000ルピア→2,500,000ルピア)。

突如、中央銀行の声明が発せられる

2018年1月13日、突如としてインドネシア中央銀行(Bank Indonesia)が仮想通貨に関する声明文を発表しました。

インドネシア中央銀行は13日、インドネシア国内では仮想通貨の売買や取引を認めないとする声明を発表した。今回の声明は政府による正式な禁止を示すものではないが、仮想通貨に関連する全ての活動に対して警告している。インドネシアでは2017年10月、国内に拠点を置く「BitBayar」と「TokoBitcoin」の2つの取引所が自主的に閉鎖していた。

Money Voice 『インドネシア中央銀行、仮想通貨取引を控えるよう警告(1月15日付)』より抜粋

中央銀行が出した声明文はこちら(インドネシア語)

以前まではバリ島の一部店舗(約40店舗)で仮想通貨を利用した支払いができましたが、2017年12月上旬に中銀から法的拘束力のある「規制」が発布され、仮想通貨の利用が禁止されました。しかし、それ以降も取引所での仮想通貨の売買は可能なままです。

今回は法的拘束力のある政令や規制ではなく、ただの声明文です。国民に対して「仮想通貨なんてやらないでほしいな~」と言っているのです。当然、それに従わなければならないわけでもないです。

前述の世界的仮想通貨暴落の理由は、このインドネシア中央銀行の声明文が理由の一つではないかともいわれています。

2021年時点で、インドネシア中銀は「インドネシアルピアこそが唯一の通貨」とし、BTCを含むすべての仮想通貨は通貨でないというスタンスを継続しています。

今後の展望は?

ただし一部メディアでは、今回の中銀からの声明文をいわば「最終通告」として受け止めるべきだという意見もあります。「近いうちにインドネシア国内では売買取引を含めて仮想通貨を全面禁止にする。手仕舞いするなら今のうちだ」といったニュアンスが含まれているそうです。

では、今後インドネシアでの仮想通貨取引はどのように進んでいくか。考えられるのは以下の3パターンです。

  1. 急に一切禁止になる・・・インドネシアのことだから、あってもおかしくはない。取引所は即閉鎖、換金・出金不可?海外取引所(例えば日本)への仮想通貨送金も不可になる?
  2. 禁止令が発令され、一定期間後禁止になる・・・禁止時まで取引所は稼働する。しかし売りが先行し、価値は暴落。元本保証など夢のまた夢。誰が先により早く売るかの売り合戦になる。
  3. 取引禁止にはならない・・・このまま売買取引は可能。価格の上下変動は世界の仮想通貨と同様のグラフを辿る。しかし、いつ禁止になるか分からないリスクがあるため新規参入・新規買いは控えめになるかも。

筆者は万が一「①急に一切禁止になる」場合に備え、全額失っても生活には問題ない金額で売買取引を続けていこうと思います。

2021年になっても仮想通貨取引は問題なく継続出来ています。

キャピタルゲインに対する課税

仮想通貨の売買により利益が出た場合、インドネシアでも年次報告書(個人所得税確定申告)にて報告が必要とされています。

ただし仮想通貨の扱い自体がまだ税務当局で定まっていないので、申告するかどうかは見極めが必要なところです。

仮にキャピタルゲインを個人所得に含む場合、給与所得や売買利益の金額にもよりますが、双方の合計(年間所得)が500,000,000IDR(500Juta)を超えた場合、累進課税で30%の税率が課されます。恐らく日本人駐在員などはこのレンジに余裕で入ると思われます。

課税についてはこちらの記事をどうぞ(あまり参考になりませんが、まだ曖昧なんだなということは理解できるかと)。

取引所開設方法と注意点

前述したように、筆者はIndodax(旧Bitcoin.co.id)で取引所を開設しました。ここでは、仮想通貨を始めてみたいという方向けに開設方法を紹介します。

登録自体は難しくありません。英語モードに変えてから、電話番号や住所などを入力していけばいいです。

すこし厄介なのが個人認証(Verification)です。写真を2枚アップロードする必要があり、1枚はID(パスポート)コピー。もう1枚が、「指示された文章を紙に書いて、その紙を持った自分の写真」を撮ります。

この指示された文章を紙に書くというのを、なぜか「パスポートを手に持った自分の写真を撮る」と解釈しており、ひたすらパスポートを持ったセルフィーを撮ってはアップロードし否認(Reject)され続けていました。

サイト側からしたら「なんやねん、こいつ…」状態だったと思います。5回くらい送って何かおかしいと気づき、やっと正しい写真を送ることで認証されました。

個人認証が完了する前に入金、売買は可能ですが、出金は個人認証が完了しないと行えません

ちなみに初期状態では一日の出金限度額は10,000,000ルピアに設定されています。出金限度額を上げるのもオンラインで書類の提出が必要ですので、注意してください。後ほど200Jutaまでは上げることができました。

入金は複数の銀行から可能です。BCAやBNIなど有名な銀行の送金先が用意されてるので問題ないでしょう。場合によっては他銀行への送金手数料が6,500ルピア取られます。

また出金時には、出金金額の0.5%を手数料として取られます。100Juta出金しようと思うと500,000ルピア取られるのでまぁまぁですね。

売買取引自体は、一般的な株取引と変わりません。注文は成行(その時の金額で売買、手数料は0.3%指値(金額を指定し、その金額になったら売買実行。手数料は0-0.3%です。

※登録はこちらからどうぞ※

まとめ

最後に取引ボリュームですが、24時間ベースでBTCだと100,000,000,000ルピア(1,000億ルピア=約83億円)くらいの取引量はあります。瞬間的に多くなると3,000億ルピアに達することもあります。通貨は12種類あり、2018年1月31日のある時間の時点では、24時間全通貨トータルで5,000億ルピア(約400億円)の取引があります。

2019年5月13日時点、24時間ベースのBTCで約80,000,000,000ルピアの取引量。
2020年2月13日時点、24時間ベースのBTCで約35,000,000,000ルピアの取引量。
2021年2月22日時点、24時間ベースのBTCで約350,000,000,000ルピアの取引量。1年前の10倍…。

さすがに中銀もこれだけの取引量があるものを、即時禁止にするとは考えにくいというのが筆者の見解で、引き続き売買取引を続けようと思った理由です。

しかしインドネシアの行政は朝令暮改、急に突拍子もないことを言い出すことで有名です。何が起こってもいいように、全財産を突っ込むとかはやめときましょう。