かつて無謀にも、新卒の若者がホテル暮らしをしながら、ジャカルタで海外就職しようとした話。

 

2014年2月。

アメリカ留学を終え、ボストンキャリアフォーラムで専門商社の面接を勝ち取ったものの、まさかの帰国後最終面接で落ちてしまい。筆者は失意の中、ニートにだけはなるまいと就職活動続行を決意。

しかし就労経験がないのに、転職や第二新卒として就活するわけも行かず。かといって新卒での就活はまだ本格的に始まってはいない…。

そうか!そもそも自分は海外で働きたいのだから、最初から海外に行けばいいのか!

 

そうだ インドネシア、行こう。

 

宿泊先はRasuna Icon Hotel(ラスナアイコンホテル)

就職活動はある程度中長期になることが見込まれたので、宿泊先を探す必要があります。人によっては2~3日で内定まで行くこともあるかもしれませんが、筆者はとりあえず2週間程度を見込んでいました。

今回、滞在先を探すに当たっていくつか条件がありました。

  • 安さ
  • 清潔さ
  • 立地
  • 朝食付き
  • Wi-Fiあり

費用をなるべく抑えたいので、これらの条件を満たしつつ1泊4000円以下のところを探していました。

清潔さは予約サイトに掲載されている写真の雰囲気で判断します。立地は出来る限り都心部が良かったので、スディルマン通り近辺に絞りました。Wi-Fiは転職エージェントや企業とのやりとりに必須だったからです。

結果、最も魅力的に映ったのがRasuna Icon Hotel(ラスナアイコンホテル)でした。クニンガン地区に位置し、歩いていける距離にロッテモールやPlaza Festivalなどいくつかのショッピングセンターがあります。

室内は清潔で、朝食は無料で屋上のテラスで取ることが出来ました。レストランに日刊邦字新聞「じゃかるた新聞」が置いてあったのも高評価です。

 


(屋上レストラン:Agodaより転載

部屋も清潔で、ジャカルタのホテルにしては珍しく水圧が強めの温水が出ました。Wi-Fiは夜の時間帯になるとやや繋がりにくいですが、昼間は快適に使え動画などサクサク見れます。


(部屋の様子;Booking.comより転載


(バスルーム;Agodaより転載

 

予約は、いつまで滞在するかを決めていなかったので、Agodaで3泊予約して、チェックアウトの日にまた3泊予約するといった繰り返しでした。ホテルスタッフが顔と名前を覚えてくれていたので、部屋の変更などもなかったです。結局2週間ずっと滞在しましたが、おかげさまでかなり快適に過ごすことが出来ました。

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転職エージェントは相手にしてもらえず

さて本題です。

就職活動とはいえ、異国でのもの。どうするか見当もつきません。とりあえずGoogle先生で「インドネシア 就職」と検索したところ、いくつかの転職エージェントと体験談がヒットしました。

その中からまずはアイコニックセルナジャヤなど、いくつか地元の日系転職エージェントを利用しました。実際に事務所に赴き、語学力確認のためのインドネシア語・英語での面接がありました。

結論的には、日本での就労経験がないためインドネシアで職を紹介するのは難しいと断られました。

こうなると正面突破では無理なので、裏ルートを模索することにします。

 

コネを使った裏ルート

まずはコネ。というか、二にも三にもコネしかありません。

父親がかつて働いていた現地企業にアプローチ(当然、父親経由)します。インドネシアの証券取引所に上場しているかなりの大手企業です。

なんと、いきなり社長面接から始まります。

まず聞かれたのが、率直にいくら(給料)ほしいか。相場感が今イチつかめていなかったので「US$2,000」と答えました。(今思うと新卒の金額としては破格すぎる)

それからポジションについて尋ねられました。あるのは会社の本流である業務(ここでは伏せます)と、副流である業務(プロパティー)。当然、これまでの自分の経緯から本流で働くつもりだったので、プロパティーの世界を示されたのは意外でした。

その場では、返答を出さず持ち帰って後日決断する旨を伝えました。

面接のあとは、筆記試験がありました。筆記試験と言っても記述式のものでなく、「何分以内に図形問題を何問解けるか」といったIQを測る試験でした。だいたい8割くらいの出来で時間いっぱいになるので、正直そこまで出来た気もしませんでした。

この日はこれで終了。

 

まさかの就職決定か!?

数日後、帰国2日前くらい。

再度呼び出され、社長と社長夫人(人事担当統括)と面談です。そして言われたのが、

 

「あなたのIQは非常に優秀だ。ぜひうちで働いてもらいたい!」

 

え、まじで?まさかそんな高評価をもらえるとは思っていなかったので、内心歓喜の渦でした。

ポジションについては、本業が国の産業としても会社としても斜陽産業であること。一方で、プロパティーは現在発展著しく、今後の会社の柱になる事業であること。これらを加味し、当初狙っていた本流の業務でなく、プロパティー業務で希望を伝えました。

2日後、2週間という短期間の滞在で本当に仕事が見つかると思っていなかったので、ウキウキ気分で帰国しました。

 

父の反対

帰国して翌日。

滞在した2週間の内容と結果を両親に報告しました。といっても、そもそもが父のコネで面接を受けれたので、その後の顛末なども既に全部耳に入っています。そして父が放った絶望の一言。

 

「向こうがえらいおまえのこと買っていたけど、あの話断ったから」

 

・・・(゚Д゚) ハア??

 

なんでも、やっぱり新卒で日本での就業経験がないまま現地で働くのは今後のためにも良くないからだそうです。事前に何も聞かされず、就職決まって舞い上がってたのが一転、地獄に突き落とされました。唐突な父の決断に反論する気も起きず…。

なにが行けなかったんだ、パピー。やっぱりパピーの跡を継いで、本流の業務に就けばよかったのかい?

 

後日談

まぁ元々、父がいなければ成立する話でもなかったし、その父が反対するのなら従うほかあるまいと思い、納得しました。その後は、2世代下の年代に交じって普通に日本で就活をしていました。4月に入り、何社か本格的に面接を受けていたある日。

父から「広島の知り合いの下で働く気はないか」と尋ねられます。

そこならある程度自分のやりたい仕事もやらせてもらえるし、戦力にもなるとのことでした。正直、既卒で卒業から1年以上経って就活をしていると、やはり新卒採用を目指すのは難しいなと感じていました。まぁ、企業側もよほどのメリットがなければわざわざ年食った既卒よりは、新卒を取りますよね。

というわけで、父の提案を承諾し、筆者は広島で働き始めます。

 

そして3年後、まさかインドネシアで働くことになるとは、この時は思ってもいませんでした。