インドネシアで18歳未満の児童買春・売春で捕まった場合、法律・刑罰はどんなものか?

 

年明け早々、ジャカルタで日本人が児童買春で捕まったという話を耳にしました。ニュースで調べてみると、すでに日本の報道機関でも報道されています。

 

 

日本の報道機関では名前など伏せられていますが、インドネシアの報道機関はお構いなしです。実名+顔写真入りで詳細に報道しています。筆者はDetik Newsを見ました。

報道をまとめると、2017年12月にブロックMにいるブローカーから11歳と13歳の少女を一人100万ルピアで買春したとのことです。それから少女の親による告発か、ブローカーが摘発→顧客リストから判明か、あるいは双方かは分かりませんが、大晦日12月31日にジャカルタで逮捕されたそうです。

さて今回の筆者の興味は児童買春がどうやったらできるかとかいくらでできるかではありません。汚職が蔓延り、警官にも袖の下を渡せば犯罪すら見逃してもらえる(かも)というインドネシアで捕まった場合、『刑罰はどれくらいになるのか?』という点です。

 

Detik Newsによると、今回次の2つの法令違反によって罰せられる可能性があると書かれています。適用されるのは子供の保護に関するインドネシア法2014年第35号(UNDANG-UNDANG REPUBLIK INDONESIA NOMOR 35 TAHUN 2014)と、犯罪撲滅に関するインドネシア法2007年第21号(UNDANG-UNDANG REPUBLIK INDONESIA NOMOR 21 TAHUN 2007)です。

 

まず子どもの保護に関する法律では、76条I項に当てはまります。

Pasal 76I
Setiap Orang dilarang menempatkan, membiarkan, melakukan, menyuruh melakukan, atau turut serta melakukan eksploitasi secara ekonomi dan/atau seksual terhadap Anak

いかなる者も、子どもに対して経済的および/または性的搾取を行ったり、放置したり、命令したり、参加したりすることは禁止されている

 

次に罰則は、88条にあります。

Pasal 88
Setiap Orang yang melanggar ketentuan sebagaimana dimaksud dalam Pasal 76I, dipidana dengan pidana penjara paling lama 10 (sepuluh) tahun dan/atau denda paling banyak Rp200.000.000,00 (dua ratus juta rupiah).

第76条I項に規定する条項に違反する者は、10年以下の懲役及び/又は最大2億ルピア(約153万円)の罰金を科される。

 

ちなみにこの法令では、「子ども」とは1条1項にて以下のように規定されています。

Anak adalah seseorang yang belum berusia 18 (delapan belas) tahun, termasuk anak yang masih dalam kandungan.

子どもとは、胎児を含む18歳未満の者を指す。

 

そして今回の件では、人身売買も認められる可能性があります。その場合、犯罪撲滅に関する法律2007年21号第6条に当てはまります。

Pasal 6
Setiap orang yang melakukan pengiriman anak ke dalam atau ke luar negeri dengan cara apa pun yang mengakibatkan anak tersebut tereksploitasi dipidana dengan pidana penjara paling singkat 3 (tiga) tahun dan paling lama 15 (lima belas) tahun dan pidana denda paling sedikit Rp120.000.000,00 (seratus dua puluh juta rupiah) dan paling banyak Rp600.000.000,00 (enam ratus juta rupiah).

子どもを搾取させるような方法で国の内外で子供を派遣する者は、最低3年もしくは最大15年間の懲役、および、最低1億2000万ルピア(約92万円)もしくは最大6億ルピア(約461万円)までの罰金を科される。

 

この法令は買春側にも適用されるのか、あるいはブローカー(売り手、仲介者)のみに適用されるのか、現時点では不透明です。

 

インドネシアの法令では、罰則は一番重いものが適用されるので、2014年35号と2007年21号が同時に適用されることはありません

また外国人が収監された場合、KITASやKITAPなど滞在資格が切れていたら出所した直後に強制送還になるようで、そのまま空港に連れて行かれるようです。10年とか入っていたらパスポートも切れているでしょうが、そういった際は収監中や出所直前に弁護士や大使館が手配してくれるのでしょう。あるいは罰金だけ適用されて、残りの刑期は本国でという形になるのかもしれません。そのあたり日本とインドネシアは犯罪者引き渡し条約を結んでいないのでどうなるんでしょうかね。

 

まぁ当たり前ですが児童買春を含め犯罪はいけません。今回のケースは恐らく意図的(さすがに11歳を18歳以上とみるのは無理があるだろうし)だったでしょうけど、カラオケで働くような女の子の中には16歳や17歳も珍しくありません。選んだ子が18歳未満で、たとえその子が「私は18歳だよ」と言い張ろうとも、ヤってしまうと面倒なことになります。何かの節で話が漏れて警察から摘発を食らったり、あるいはそれを基にゴロツキから脅される(いわゆる美人局)もありますからね。