広島県内で100名城に選ばれている城は3か所。
共に安芸国にある毛利氏ゆかりの広島城と吉田郡山城。
そしてもう一つが、今回の目的地で備後国にある福山城です。
福山城の歴史と背景
福山城が建立されたのは、戦いの世が終わった後の江戸時代。
一国一城令が発布されたこの時期としては異例の新規建造でした。徳川家康に抗おうとする西国諸大名への抑えとして期待されていたのです。
そんな理由から、外様大名がひしめく中国地方の監視役として福山へ向かったのは、水野勝成(当時55歳)。福山は岡山と広島の間に位置しており、山陽道の要として古来から要衝とされてきた場所。元々この地には海路を押さえる鞆城と陸路を押さえる神辺城がありましたが、これらを廃止し両城に代わる新城が計画されました。
これが福山城です。
その後、福山藩と長州藩による幕末の動乱や明治の廃城令を経て、第二次大戦中の福山大空襲で天守は焼失。空襲にも耐えた伏見櫓や筋鉄御門は、国の重要文化財に指定されました。
現在の天守は、1966年に再興されたコンクリ天守です。
福山城を実際に訪問!広島からバイクでツーリング旅
さて、題目の通り福山城天守は新幹線や山陽本線のホームから見ることができます。ほとんど駅に隣接しているので、歩いても5分程度で着きます。まさに100名城トップクラスの駅近ですね!
当然一番のメリットはこの点で、電車で福山観光に来た際は手軽に訪問することができます。ただし今回は広島市内からバイクでのツーリングなので、その恩恵に預かることはなかったです…。
広島市内を出て、2号線をひたすらに走ります。途中バイパスなどがあり、休日でもあまり混雑しません。道中、休憩のため三原バイパス沿いにある道の駅「みはら神明の里」に立ち寄りました。ここからは瀬戸内海の他、三菱重工三原工場や帝人三原事業所を眺めることができます。
福山城の天守閣と周辺施設
約2時間、100キロの道を走ると目的の福山城に到着しました。再興したとはいえ、かなり立派な天守です。これは駅のホームから見えるのもうなずけます。
天守内部は博物館となっており、200円で入城できます。頂上からは福山市内を360度一望でき、晴れた日には遠く瀬戸内海まで見渡すことができるそうです。
武家屋敷調の建物が「福寿会館」といい、福山市の迎賓館としても使われています。洋風な建物は「茶処ばら」。福山の郷土料理「うずみ」を食べることができるそうです。
「うずみ」は、ご飯の下に旬の食材を埋めた料理でだし汁と共に食べます。残念ながら、この情報を知ったのは後日なので、次訪れる機会があれば食べてみたいです。
福寿会館のそばの池には、青色の綺麗なトンボがいました。調べてみると、オオシオカラトンボの雄らしいです。珍しくもなんともなく、普通に田舎の田んぼなどに出現するそうです。
ただ筆者は、「こんな綺麗なトンボは見たことない!!」とテンションが上がり、「新種ではないか!?」と思ってしまいました。
日本の城の隣に西洋の城?
福山城の隣には豪勢な教会があります。まるで西洋の城のようにも見えます。なんの宗教施設かと思いきや、「ホーリーザイオンズパークセントヴァレンタイン」という、これまた大層な名前の結婚式場だそうです。
外観のインパクトは福山城を遥かに凌ぎますね。天守の頂上からも眺めることができます。
帰り際は尾道ラーメン「東珍康」
福山から広島市内への帰り道、2号線を走り途中で尾道ラーメンを食べました。有名どころの一つに挙げられる、東珍康(とんちんかん)へ。
日曜日の午後でしたが、思ったより並ばずに済みました。尾道ラーメンは鶏ガラ醤油ベース。背脂が特徴的です。
まとめ
【予算】
高速代(帰りのみ):¥1,140(本郷IC→広島高速府中)
ガソリン代:¥1,040(25キロ/L・¥130/L)
東珍康の尾道ラーメン(大):¥680
雑費:福山城入場料(¥200)、道の駅での飲み物など…
残り89城