九州ツーリング3日目。この日は人吉を出て、鹿児島→飫肥城→宮崎と巡る予定です。
100名城は人吉城、鹿児島城、飫肥城の3か所。目標グルメは人吉のうなぎ、鹿児島の黒豚ラーメン、宮崎のチキン南蛮。
食べ物ばっかりやないかーい。
前回までの記事はこちら。
コンテンツ
美人の湯と謳われる源泉かけ流し「人吉温泉」
まずは昨晩、人吉への到着が遅れ入れなかった温泉へ。温泉街である人吉では、24時間入浴が可能な温泉もあります。
今回は「季の杜 石庭」を訪れました。朝8時から入浴可能で、大人一人300円。人吉駅からは2kmほど離れたところにあるので、駅から歩いていくとなるとやや遠いです。
人吉温泉全体でいえることですが、どこもかしこも料金が非常に安いです。場所によっては入浴料が200円といったところもあります。人吉の温泉一覧については、人吉温泉観光協会のホームページが役に立ちます。
ここは入口が結構急な坂になっており、その先も砂利道なのでバイクで訪れる際は運転に注意が必要です。とはいえ滑って転げるほどでもないので、そこまで心配しなくても良いでしょう。
受付で入浴料を支払い、温泉へと向かいます。露天風呂のすぐそばに脱衣所(屋根アリだが屋外)があります。貴重品などは、ここに置いておけば視界に入るので問題ないです。身体を洗うスペースは一人分しかないですが、シャンプーと石鹸は備え付けられています。
温泉は源泉かけ流しで、源泉温度は48.6度なので、源泉を直接浴びると熱いです。ちなみに露天風呂は男性用のみで、女性は屋内の岩風呂になるので注意が必要です。
温泉はそれなりに広さがあり、川床のような場所も用意されているので、そちらで寝転がって身体を冷ますこともできます。泉質は美人の湯との評判通り、わずかながらぬめり気がありました。
詳細不明!謎の地下室がある「人吉城」
温泉を堪能したら、人吉に泊まった目的である人吉城の100名城スタンプ。市街地の中に人吉城跡地があり、そこに「人吉城歴史館」があります。スタンプはここで押せます、まずは入場料を支払いましょう。
歴史館の中では相良氏の展示のほか、昭和の遺跡発掘調査の際に発見された「謎の地下室」の展示があります。地下室には深さ2.3mの井戸があり、井戸のある地下室の発見は世界的に見ても例がないことだったそうです。さらに井戸の底からは日本刀が発見されたり、1640年の「御下の乱」の際に破壊されて埋められたり。そして何より「なんのために作られた地下室か?」ということが全然分かっていないみたいです。
ちなみにこの人吉城公園の敷地にはもう一つ地下室があり、歴史館から50mほど離れたところにある小屋からその様子を見ることが出来ます。こちらは屋外からガラス越しに見学するもので、誰でも無料で見れます。
人吉城の特徴の一つが石垣。ヨーロッパの築城技術を応用した「武者返し」が特徴で、これは国内だと函館の五稜郭と山形の鶴岡城でにしかない珍しいものです。その中でも人吉城の石垣は特に大規模に残っています。
熊本県唯一の国宝「青井阿蘇神社」
人吉城に国宝や重要文化財はないですが、人吉市内には国宝を持つ神社があります。人吉はおろか、熊本県で初めて国宝に指定された「青井阿蘇神社」。JR人吉駅から300m、約徒歩4分のところにあります。
九州にある神社では、USA神宮こと宇佐神宮に次いで2か所目の国宝指定となりました。江戸時代初期に建立された本殿など5か所が国宝指定されています。人吉周辺の球磨地方の特徴を色濃く伝承していることが理由だそうです。そのため参拝客も結構多く、人吉市内での最大の観光地にもなっているようでした。
人吉名物ウナギ…はいっぱいだったので「鮎寿司」
温泉、人吉城歴史館と、朝飯を抜いて先に回ってきたのには理由がありました。
人吉名物と言えば「ウナギ」。昨晩、食することのできなかったウナギを贅沢にも朝飯にしてやろうと目論んでいたのです。訪れるのは、人吉のウナギと言えばこの店と言われる「上村うなぎ」。
10時開店で、並ぶだろうと10時前に訪れてみると…
や、休みだと…( ゚Д゚)
しかし幸い、上村うなぎの隣には「しらいしうなぎ」という、これまたウナギの専門店がある。上村うなぎの開店時間である10時に合わせて訪れたため、しらいしうなぎはまだ開店していませんでした。
仕方ないので、上述した青井阿蘇神社に寄り、再び舞い戻ると、今度はしらいしうなぎに長蛇の列が…。
うなぎは縁がなかったのだ、と諦めて人吉駅前の弁当屋「やまぐち」に向かいます。ここでもう一つ気になっていた「鮎寿司」を購入しました。
人吉駅前のベンチに腰掛け、一人朝飯がてら鮎寿司をほおばります。酢で〆ているため魚臭さはないですが、焼いているわけでもないので香ばしさとかはありません。頭の部分は意外と固く、歯ごたえがあります。身は一般的な青魚といった味で、やはり鮎は塩焼きが一番だと実感しました。
桜島噴火で火山灰の残る「鹿児島城」
鮎寿司で腹ごしらえをした後は、鹿児島城のスタンプと黒豚ラーメンを目指して鹿児島へ向かいます。人吉から熊本までは高速を使って1時間少々の道のりです。
鹿児島城のスタンプは「鹿児島県歴史資料センター黎明館」にあります。黎明館訪問者専用の無料駐車場がすぐそばにあるので、そこを利用すると良いでしょう。
スタンプは黎明館1階の総合受付で押せるので、スタンプだけが目当てならば入館料などはかかりません。常設展示は入場料がかかるほか、特設展示が2つあり、大江戸トリックアートなるものは有料でした。
もう一つの特設展示はプラモデル展で、こちらは入場無料だったので少し寄ってみました。
鹿児島在住の一般人が制作したプラモが展示されています。ガンプラやミリタリープラモがメインだったが、バイクやエヴァンゲリオン、飛行機のプラモなどもありました。場内では製作者と思われる方の講習会も行われていました。
ちなみに筆者が鹿児島を訪れたのは5月5日でしたが、どうやら5月3日に桜島が噴火したばかりだったようです。そのため、市内の細い道ではまだ降ってきた火山灰がいくらか残っていました。駐車場にも溜まっており、火山灰は滑りやすいのでバイクを駐車する際は注意が必要です。
こってり鹿児島の黒豚ラーメン「天文館本店」
人吉で朝飯を食べたばかりだったが、鹿児島の黒豚ラーメンは外せないと思い、ここで昼食を摂ることにしました。
一番有名であろう「鹿児島ラーメン豚トロ 天文館本店」に行こうと思っていたのですが、黎明館駐車場からはやや距離がありました。それでも向かおうと商店街の中を歩いていると、一軒のラーメン屋が目に留まります。
鹿児島ラーメン豚トロ
あれ…?目的地まではもう少しあるよな?
でもここ、人の列はあるがそれなりに消化は速そうだし、ここにするか!というわけで入ってみました。後で知るのですが、何を隠そうここは2015年にできたばかりの「鹿児島ラーメン豚トロ 天文館アーケード店」でした。Google Mapで「鹿児島ラーメン」や「黒豚ラーメン」と検索しても引っ掛からなかったので、気づかなかった…。
鮎寿司をついさっき食べたばかりで、あまり重たいものは…となっていたのですが、せっかくなので券売機の一番目立つところにあった「半熟煮卵入り豚とろラーメン(870円)」を注文です。
10分程度待てば、入店することが出来ました。見た目はすごくコッテリしていますが、意外と重くはなく、どんどん食べれてしまいます。なんといっても豚トロが、ほどよい煮込み具合で、本当に口の中でとろける食感です。さすがにスープを全部飲み干すことはできなかったですが、腹が減っていればライスで〆るのもアリでしょう。
黒豚ラーメンを堪能したら、鹿児島を後にして、次は宮崎へ向かいます。
鹿児島の滞在時間、わずか2時間程度でした。
「飫肥城」とおび天
今回の九州ツーリングで訪れる100名城としては、最後の目的地となる飫肥城(おびじょう)。
鹿児島から途中まで1時間高速を通り、さらに下道で1時間程度、計2時間の道のりです。途中の下道は広域農道を通ったりと、気持ちいい道が続きます。その割に車は少なく、バイクも全く見なかったので、やはりあまり通ることのないルートなのでしょう。
飫肥城周辺に到着したのが16時過ぎ。飫肥城の他、武家屋敷など7か所の見どころがあり、これらの周遊パスが610円で販売されています。しかしそれを購入しようとすると、いずれも16時半~17時頃までなので、個別で見て回ったほうが良いと言われました。個別で見て回ろうとすると、1か所につき200円です。
飫肥城にも無料の駐車場があります。駐車場の近くでは名物である「おび天」を食すことが出来ます。
おび天は一言でいうなら「さつまあげ」。ただしさつまあげと違う点は、豆腐が入っているので食感は柔らかく、また少し甘めな味わいです。その他、形や使っている魚のすり身なども微妙に異なりますが、基本的にはさつまあげと思ってもらって問題ないです。ちなみに「おび天」は登録商標なので、元祖おび天本舗しか名乗ることが出来ないそうです。
おび天のあとは、いざ最後の100名城スタンプ。スタンプは飫肥城歴史資料館にある。ここだけなら200円で入館出来ます。
館内ではやたらと昔のトイレ(便所)の展示が目立っていました。展示のトイレが使用できないことなど一目見ればわかるので、この注意書きはもはやギャグなのでしょう。挙句には『「現代人用の」トイレはこちら』と案内しています。ただこういう遊び心は嫌いじゃない。
ここでもおっぱい!?「鵜戸神宮」にあるおっぱいとは…
飫肥城を出ると、この日の宿泊先である宮崎市内を目指します。
1時間ほどの道のりだが、せっかくなので日南海岸を眺めながら少し遠回りをして海沿いを通ることにしました。もう一か所くらい観光名所がないか調べてみると、「宮崎のモアイ像」「鵜戸神宮」「鬼の洗濯岩」の3つが候補に挙がりました。
モアイ像は一番興味があったが、すでに閉館の時間だったので諦めます。鬼の洗濯岩は一瞬眺めるだけで十分なので、鵜戸神宮を訪れることにしました。鵜戸神宮は岩窟の中にある本殿が見どころの一つですが、実際に訪れてみるとそれ以外の魅力がいくつかあります。
鵜戸神宮は国道212号からやや逸れたところにあり、途中工事中の道などもあり片側通行だったので、ゴールデンウィークなど参拝客が多い時期は出入りに時間を要するでしょう。
こちらも駐車場は無料です。着いて早々、土産物屋や屋台が立ち並んでおり、神聖な雰囲気はあまりありません。本殿のほうへ進んでいくと、日南海岸の雄大な眺めが広がります。特に本殿に参るため下っていく道から眺める景色は絶景です。
岩窟内に本殿があり、ここだけはいくらか神秘さを感じることが出来ます。賽銭を投げ入れ参拝を済ますと、気になる看板を見つけました。
おちち岩…?
「おっぱい岩」のためだけに天草に渡った筆者からすると、非常にそそられる看板です。気になってしょうがないので、進んでみることにしました。
どうやら岩窟内の一部で突き出た部分があり、そこから水が滴る様が「お乳」に似ているとのことです。天草のおっぱい岩のように分かりやすい形はしていなかったです。中々頑張って想像力を働かせないとその様は分からないようで、周囲の観光客もやや困惑しながら眺めていました。
多分巨乳な天草のおっぱい岩に対し、こちらのおちち岩は貧乳なのだろう。
ちなみにおちちの先端から滴る水を利用して作った「おちちアメ」なるものも販売されています。神社で祈祷されているらしく、安産祈願や子宝繁栄などの意味が込められているそうです。
せっかくなのでお土産として「おちちナメ」…、いや「おちちアメ」を一袋買いました。
「ドーミーイン宮崎」で風呂上がりに無料生ビール!
宿泊したのは、2017年4月にオープンしたばかりの「ドーミーイン宮崎」。Agodaや楽天トラベルなどで結構価格差があったのですが、最終的には8000円程度で予約できました。
朝食付きで、屋上には露天風呂もあります。露天風呂は広くはないですが、宿泊客が多くないのか、夜も朝も一人で浸かることが出来ました。大浴場の入口にはランドリーがあり、洗濯は無料、乾燥は1回100円です。
何より素晴らしいのが18~21時の間、12階大浴場のそばにある湯上り処でビールが飲み放題!ビールだけでなく、焼酎や酎ハイなども飲めます。バーテンの人に聞くと「おかわりも構わないが、店内が広くないためある程度節度を守ってもらえれば」とのこと。飲み放題とは言え、常識をわきまえて2杯程度で済ませるように。
唯一残念だったのが、駐車場は建物横にあるのを使用するのだが、これが有料(950円)でした。宮崎市の中心部にホテルがあるので、有料なのも仕方ないかなとは思います。一方で、夜の時間帯(20時~翌7時)の間に入出庫すれば、正規の駐車料金は¥800なのでこちらのほうが安くつきます。
宮崎名物チキン南蛮は「とりえもん」
宮崎といえばチキン南蛮。
ということで橘通りの繁華街を歩いて探してみました。中々一人で入るには敷居が高そうなところが多かったですが、とある立ち飲み屋が目につきます。
というのも入り口にスラリとした綺麗な脚の女性がおり、これに惹かれて入ってみました。
とりえもんです。
元は「南風」という名前で、2016年11月にリニューアルしたそう。ちなみに入口のセクシーな女の人、…のマネキンがあります。ビールとハイボール、それにチキン南蛮を注文したが、立ち飲み屋とあって安かったです。
- 生ビール(サッポロ)…400円
- 霧島ハイボール…380円
- チキン南蛮(L、プレーン)…500円
チキン南蛮は一皿にわりと大盛りで出て来て、タレとタルタルソースの味わいが堪らないです。量も多いので、チキン南蛮だけで十分腹が満たされました。
まとめ
人吉温泉…○ 温泉の泉質と値段の安さは素晴らしい。もう少し湯船の広さとアクセスが良ければ◎だった。
人吉城…△ 特に重要文化財などがあるわけでもなく、展示も料金を取られる。地下遺構は見どころだが、下に降りるとなると時間的な制約が伴う。
青井阿蘇神社…△ 国宝という割に、国宝感があまりない。
人吉の鮎寿司…△ 食べたことがないものに対する好奇心はあったが、柿の葉寿司のほうがおいしいだろう。
鹿児島城…△ 城郭などがあるわけでもなく、展示も有料。ただしスタンプだけなら駐車場も含めて無料。
鹿児島ラーメン豚トロ…○ こってりだけどもあっさり。豚の煮込み具合は絶品だった。思いのほか並ばずに済んだのも○。空腹時なら◎だったかも。
飫肥城…△ トイレの印象が強すぎた。もう少し時間を取って、飫肥の城下町を歩いて回りたかった。
鵜戸神宮…○ 日向灘を見下ろす景観は絶景。岩窟内の本殿も見どころ。御乳岩のしょぼさだけが残念である。
ドーミーイン宮崎…◎ 新しいだけあって綺麗で、温泉も○。湯上り処でのビールはたまらない。朝食も美味しく、立地も良く、かなり満足のいく滞在だった。
とりたろう…◎ チキン南蛮の味わいが絶妙。間違いなくこの日食べたものの中ではトップクラス。酒類の安さも魅力的で、何より県外の者が一人でも立ち寄りやすい雰囲気である。
次回、最終回!
高千穂でマイナスイオン、雄大な阿蘇、そして大分からフェリーで帰路へ…