【中城城訪問記】世界遺産の城跡より気になる廃墟「中城高原ホテル」が見える中城城跡を訪れた。

 

今から2年前にもなりますが、初めて沖縄を訪れた時のことです。

100名城巡りをするため、台風が迫るなか雨中の沖縄を1泊2日で訪れました。一人で、沖縄本島の南側のみの滞在でしたが、定番の首里城や国際通り、ひめゆりの塔などいくつか名所を訪れました。しかしそれらを抑えて、筆者が個人的に最も印象だったのが、今回の記事である中城城とそれに隣接する廃墟のホテルです。

 

 

中城城とは?

 

まず、このお城なんて読むのでしょう?

答えは、中城城(なかぐすくじょう)です。

沖縄県中頭郡北中城村・中城村に存在した日本の城で、現在は石垣遺構が残るのみです。15世紀に琉球王国によって建設された城(グスク)です。2000年に、首里城跡などとともに、『琉球王国のグスク及び関連遺産群』としてユネスコの世界遺産にも登録されました。

アクセスは、那覇市街地からは高速(沖縄自動車道)を通って30分ちょっとです。那覇空港からは同じく高速を通って45分ほどです。

入場料:400円
開場時間:8:30~17:00(5~9月は18:00まで)
駐車場:無料
スタンプ:管理事務所入り口(入場料を支払うところ)

 

中城城跡

 

駐車場に車を停め、管理事務所で入場料を払いスタンプを押して中へゴー!筆者が訪れた日は曇天ながら、連休中だったのでそこそこ訪問者がいました。

城跡をゆっくり一周見て回ると約一時間程度です。石垣の上に立つのに階段を上ったりしますが、全体的に険しいアップダウンはないです。

中城城跡は石垣遺構のみながら、高台の開けた場所に位置し、石垣の上に立つと開放感を感じることができます。天気が晴れた日なら景色も素晴らしいのでしょうが、この日はあいにくの曇天…。それでも沖縄本島の西側にある東シナ海や、東側にある太平洋を見渡すことができます。

城跡内は芝生や木々など緑があふれるも、世界遺産のためかよく手入れされています。あちこちに南国植物が目につき、かなり特殊な雰囲気を味わえる場所です。

一言で言うならば『南国と中世のコラボ』。

 

 

アーチ状の城門は、かのペリー提督が絶賛したことでも有名ですね。中城城はもはや城というよりは、「古代遺跡」といった印象です。

そして石垣の上から曇天の東シナ海を眺めていると、前方になんとも怪しげな建物が…。

 

 

中城高原ホテル

 

そう、この怪しげな建物こそ、今回の主題である廃墟のホテル「中城高原ホテル跡」です。

ここは、沖縄では隠れた名所として有名。時には心霊スポットとして、また別の時にはサバゲースポットとして有名な大規模廃墟物件です。

中城城跡は、1955年に重要文化財に指定されてから、近くに観光客誘致のためのホテル建設を計画していました。当初は本丸に建設予定でしたが、中城城公園組合(ホテル推進派)と文化財保護委員会(ホテル反対派)が真っ向から対立。政治問題にも発展し、当時の沖縄県民の世論を沸かせましたが、最終的にホテルは城外に建設することで決着しました。

その後、1975年の海洋博に間に合うようにホテルが建設されていましたが、海洋博の開催直前に建設途中で会社が倒産してしまいます。また、アクセス道路も文化財保護区域に指定されたため、建設途中のまま工事が中断してから40年以上放置され、現在では廃墟と化しています。

 

 

注意書きもむなしく、廃墟の壁にある無数の落書きから、多くの訪問者がいるようです。

さすがに筆者は、真昼間で人目のある中一人入っていく度胸もなく、また真昼間といえど薄気味悪い建物に一人で入っていく度胸も持ち合わせいなかったので、外観を眺めるのみにしました。

写真のように、廃墟にしては美観を保っていますが、現在は老朽化しているため立ち入り禁止になってます。近年、取壊しが検討されているらしいです。訪れるなら今がチャンスです。

中城城跡、中城高原ホテル跡、どちらも一見の価値はあります!見どころの多い沖縄ではありますが、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。