アメリカの入国審査の際、ビザに疑惑を持たれて別室行きになった話

 

筆者は大学卒業後、1年弱アメリカに留学していました。綿と英語の勉強をしようとテネシー州メンフィスにあるメンフィス大学で学んでいました。

と言っても、大学付属の語学学校と、大学の施設を借りて行われた2か月間の専門課程に通っていただけなので、大学で勉強したわけではありません。

 

 

筆者は日本の大学の卒業式にも出ず、大学4年の3月半ばに渡米しました。

当初の予定は、まず3月から行われる8週間の語学学校のコースに通います。丁度それが修了して3週間後くらいに、また8週間の別の専門課程に通う予定でした。

アメリカで留学生の滞在資格I-20では、授業開始前の30日間と終了後の60日間までの滞在が認められています(コースを全うした場合)。

しかし、上述の専門課程は公式な学校での授業ではないため、I-20が発行されません。語学学校のコース修了後に滞在可能な60日間を目一杯使っても、専門課程を全うできそうにありませんでした。

どうしようかと思案していると、語学学校のコースの後に2週間のサマーセッションがあることを知ります。このサマーセッションもI-20の範疇でした。サマーセッション修了後から60日以内なら、ギリギリ専門課程も修了できる目算が立ちました。

その時の予定はこんな感じです。

3月半ば 語学学校(8週間コース)開始
5月上旬 語学学校修了、サマーセッション(2週間)開始
5月下旬 サマーセッション修了、専門課程(8週間)開始
I-20はサマーセッション修了後60日間有効、つまり7月中旬まで
7月中旬 専門課程修了、帰国

 

そんな感じで滞在資格の問題もクリアし、専門課程を受講して勉学にいそしんでいる6月頃。自分の英語力の未熟さを自覚し「もっとアメリカで勉強したい!」という思いが出てきました。両親にも相談し、さらに追加で半年の滞在が認められました。

一方で問題は滞在資格です。

語学学校(8週間コース)に戻るつもりだったのですが、秋学期の開始が8月下旬。前述したように、I-20では授業開始前の30日間の滞在が認められています。しかし、それでも秋学期からのI-20で滞在できるのは7月下旬から。一方でサマーセッションのI-20で滞在できるのは7月中旬まで。

そう、数日間滞在資格のない期間が出来てしまったのです。またまたどうしようかと思案していたところ、語学学校の先生からこう言われました。

 

「なら、その期間だけ海外に行けばいいんじゃない?」

 

なるほど、確かに。F-1の学生ビザはあるし、出入国には問題ないので、滞在資格期間外だけアメリカ国外に出ていけば良いのか。しかし日本に帰るのでは面白くない。カナダに行っても面白くない。どこか面白い国はないものか…。

 

ちょうどその頃語学学校で知り合い仲の良かったラテン系の女の子がいました。その子が「私の国は温泉もあるし、おススメよ!」と言ったので、その国に行くことにしました。

 

そうだ、コスタリカいこう。

 

そんなこんなで、コスタリカに4日ほど滞在し、アメリカに戻ってきた時のこと。やっと本題ですね

学生ビザを持っていたのでESTAは関係なし。そのまま入国審査に行きます。4か月前、最初のアメリカ入国以来2回目の入国審査です。あの時よりは英語も少しは出来るようになっているし、恐れることは何もない!という心境でした。

そしていざ自分の番。

 

審査官「ついこの間までアメリカにいたみたいだけど、このI-20は切れてるよね?」

私「8月から新しくまた学校に通います。これが新しいI-20です」

審査官「語学学校が終わってからは何してたの?」

私「専門的な勉強をしていました」

審査官「そのI-20は?」

私「I-20の発行されない課程でした」(←ここで不審がられる)

審査官「ちなみに今日はどこの国からの入国?」

私「コスタリカです」

審査官「なんで?」

私「旅行です。I-20の滞在資格に谷間が出来たので」

 

この時点で入国審査官はだーいぶ怪訝な顔をしていました。そりゃそうですね。I-20を2つも持ってるアジア人がコスタリカから来たら。

 

審査官「ちょっと詳しく話を聞かせてもらうから、こっちへ来て」

 

ギク━━━━━━(゚A゚;)━━━━━ッ!!!!

 

そう、これが噂の、

 

別 室 行 き

 

審査官に連れられ、別室へ。とはいえそこは取調室みたいな個室ではなく、銀行や郵便局の待合室のようなスペース。周りには怪しげでいかついラテン系のお兄さんやら、インド人ぽい家族やら。そこに一人、アジア人がぽつん。

別の係員にバトンタッチされ、パスポートとI-20を渡します。ちなみに待っている間は、スマホなど通信をする恐れのある電子機器の使用は禁止だそうです。

 

別に悪いことしてないよな…?滞在日数の計算間違えてないよな…?

と頭の中で考えを巡らせた後、

 

まぁ、どうにかなるか。

 

と思い、手持ち無沙汰になったのでのんびり本を読んで待っていました。

 

1時間後。

名前を呼ばれます。そして係員のおばちゃんに、

 

「はい、これ返すわね。出口はあっちだから」

 

…ん?終わり?何もなし?

 

と半信半疑ながら、向こうの気が変わらないうちに、そして悪いことをしていないことをアピールするために堂々と別室を後にしました。

書類等に不備がなく、ルールに則った行動をしていたため、今回は別室行きとなっても入国拒否などの処分はありませんでした。まぁ別室行きだけなら割りと発生するみたいですし、狼狽えず落ち着いて結果を待つといいでしょう。

そのせいで国内線乗り継ぎ便を乗り過ごした場合でも、アメリカの航空会社は結構融通が利くのでなんとかなります。(その分ロストバゲージや遅延も多いですけど…)

 

ちなみに別室行きの理由は登録データの不備かミスだそうです。このことは後に、身分証代わりにアメリカで免許証を申請しようとしたところ、

お前はデータがないからダメだ

と断られたことで発覚しました。